無実のゴビンダさんを支える会

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高木俊夫裁判長にあらためて怒りが  2007年8月7日

刑務作業の内容が変わり、ワンランク上の仕事に。でも、昔の怪我のおかげで手首が痛くなる・・・とゴビンダさん。
約1年ぶりの面会を果たした、会員の金井さんからのレポートです。
 ヤアヤア〜 ナマステ! 思わずお互いに薄くなった前頭部に手をやって1年ぶりの面会を懐かしんだ。坊主刈のせいで髪の薄い地肌が目につくし白い物もかなり見受けられる。まだ、そんな年齢では無いのに牢獄での過酷な拘禁生活からくる心身の疲労感の成せるものに感じられ胸が熱くなってくる。
 体調はどうですかと聞くと、「夜は安定剤を飲んでいるので眠れるが、この暑さで背中の汗疹(あせも)が酷くなっている。汗止めパウダーとパフが欲しい」ということで帰りにパウダーとパフを差し入れた。パフが背中に届くの?「東拘でも使った事がある」と後ろに手を伸ばす格好をして笑った。

 最近、仕事が変わった。同じ工場内だが、今までの袋貼りから電気コードの金属線に銀紙を巻く作業をしている。まだ慣れないし、手首が痛くなるので大変だ。
 「若い頃、バレーボールで捻挫したことがあり、今でも手首を曲げると痛いんだ」と顔をしかめ、手をブラブラ振って見せた。しかし、この作業は、袋貼りよりワンランク上とみなされており、3類者から2類者に進級するために必要だと言われたので、がんばって一生懸命やっている。
 「でもちゃんと『無事故作業者』は続けてますよ」と、得意そうに腕章の辺りを指さして見せた。

   すでに事件から10年も経ってしまったが、今でも渋谷警察での辛い取り調べなど当時の事を思い出す事があるんですか。
「取り調べや裁判の事は忘れられない。日本の裁判を信じていたのに、どうしてこんな事になっているのか悔しく苦しい思いで一杯です」
 再審に向けて先生達も裁判所に行っているし、「支える会」でも再審が行われ無罪となってネパールに帰れるようにいろいろやっている。23日には銀座でゴビンダさんの事を訴えるビラを配布するし、学習会もやって裁判のおかしな点を明らかにしていく。というとゴビンダさんは大きく頷きよろしくお願いしますと頭を下げた。
 ネパールの新聞や本が滞っているので読む物が無く寂しいです、とも言っていた。日本の本が読めるようになるといいですね。「いま、漢字も頑張って練習しているがなかなか難しい」と大きく深い溜息をついた。

 面会時間が終わって、後ずさりしながら部屋のドアの向こうに消えていく一瞬の時間が何とも切ない。通信の『…おねがいします。この こころぼそいじょうたいで けいむしょのきびしいかんきょうのなかで どうやってせいかつするのか いいadviceおねがいします』の叫びが聞こえる。無実の者が犯罪者におとしめられて牢獄で刑に服しているのだ。一体どんなアドバイスがあると言うのだろうか。
 「被告人の有罪性を認定するには余りに反対解釈」が残るので被告人を本件犯人と認める事は出来ないとした無罪一審判決。それをくつがえす新証拠が示される事もないまま逆転・無期懲役を判決した東京高等裁判所の高木俊夫裁判長にあらためて怒りがわき上がってきた。
金井英三