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2年半ぶりの再会  2006年7月13日

受刑者処遇法が改正され、親族以外でも面会が出来るようになったことをうけて、会ではゴビンダさんの支援者、友人の面会を次々に実現させています。7月13日、国民救援会の山田善二郎会長、と事務局の熊野里砂さんが、横浜刑務所に行ってきました。 ゴビンダさんは、久しぶりにお2人と会うことができ、とても懐かしがって喜んでいました。熊野さんからのレポートを掲載します。
昨日(2006年7月13日)、ゴビンダさんの面会に行ってきました。
身元引受人の客野さん、日本国民救援会の山田会長と一緒です。
2004年2月、ゴビンダさんのお兄さんであるインドラさんが来日したときに「ネパール語通訳」として同行して以来でしたから私にとってはおよそ2年半ぶりの再会となりました。

昨日は真夏のように暑く、道中、冷房の有無が話題になりました。
建て替え後の東京拘置所は少なくとも通路などでは冷房が効いているので房の中にも冷気が吹き込んでくるそうです。
横浜では工場に扇風機があるだけと客野さんから伝え聞いたので中での暑さは耐えがたいことでしょう。冬の寒さと夏の暑さはそれだけで拷問になるのではという気がするので、何とかならないかと季節が変わるたびに思います。
なお、昨日のゴビンダさんの話では今はお風呂が週2回で、お風呂のない日は30秒のシャワーが週3回浴びれるようになったとのこと。
新法の施行で若干改善したようです。(今までは夏でも週3回の入浴のみだったはず。)また、言うまでもないことかもしれませんが面会室や待合室は冷房が入っています。

2年ぶりのゴビンダさんの様子は外見以外は変わりなく、相変わらず「暑い中来てくださってありがとうございます」と気配りを見せていました。
1週間ほど前に今日行くことを知らせるハガキを出したので、それが届いたかどうか聞いてみましたが、受け取っていたことがわかりました。
これも新法施行の改善点で、親族や身元引受人以外の人物からの手紙が本人に届くようになったのは嬉しいことです。ただ、誰からの手紙でも必ず渡してもらえるわけではないようで、手紙が来ていることは知らされてもそれを受け取らせてもらえず、またそれが誰からのものなのかもわからない、と言っていました。

表面的にはゴビンダさんは中での暮らしにある程度適応しているかのように見えます。工場で無事故者に認定されたことはそのひとつでしょう。
100人いる工場でゴビンダさんを含め3人しか選ばれていないとのこと。刑務所全体では1000人以上のうち、無事故者は30人もいないそうです。
言葉のハンディがあることなどを考えるとこれは本当にすごいことで、そのまじめな態度には刑務官も好感を持っているとの印象を受けました。(ちなみに無事故者に認定されると月に1回映画を見れるそうです。)
また、ずいぶん前に雑居房から独房にかえてもらったので、「いじめられる」ことはなくなったとのこと。テレビも見れる、と言ったので何を見ているか聞いてみたらずっとワールドカップの試合を見ていたとのことでした。(フランスを応援していたそうです。負けて残念がっていました。)
面会に行った日はソフトボールの試合があったそうで、ゴビンダさんの工場のチームが勝っていると言っていましたが、ソフトボールはやらない、サッカーならやるんだけど、とも言いました。サッカー観戦の話とあわせて、そういえば前からサッカーが好きだと言っていたな、と遅まきながら思い出しました。

25分ほどの面会の間あれこれと話をしましたが、時折見せた悲しそうな表情から根本的なところは何も変わってはいないことを思い知らされます。
「何も悪いことしていないのに、こんな所にいる。周りは指のない人とか、悪い人ばかり。夜もよく眠れません。」と言われると、本当に胸が痛みます。
今までにも人づてでそう聞いていましたし、ゴビンダさんからの支える会宛てのメッセージでも読んではいましたが、本人を前にして直接聞かされるとあらためて重みを感じます。具体的に何をどうすれば道が開けるのか、この先どのくらい時間がかかるのか、はっきりしたことは教えてあげられませんし、それは誰にもわからないというのが現実です。それでも、あるいはだからこそ、小さなことでも自分にできることを少しずつ、根気強くやっていくことが大事なのだと思いました。

熊野里砂