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再審が大変なこと、わかってるけど、ポジティブな考えをしようしています  2005年12月20日

 客野です。12月20日、今年最後の面会に行ってきました。

「寒い中、来てくださってありがとうございます」と気遣ってくれたので、「ゴビンダさんこそ、毎日寒くて大変でしょ」と言うと、「工場はストーブがあるので暖かい。でも自分の部屋は、冷蔵庫!」
 ナルホド。まったく火の気のない独居房。まさに「冷蔵庫」ですよね。
「今日はテンボウでした」
 何のことかと思ったら、「月に1回、部屋の入れ替えがある」そうです。ムショ用語で、それを「転房」と言うらしいです。
「差入れした防寒用の下着は、もう着てるの?」と訊くと、作業着の襟元を開いてベージュ色の下着を見せてくれました。
「今年の仕事も28日でおしまい。暮正月休みの間は、ずっと布団に入っていてもいいから暖かく過ごせます。美味しいもの食べたり、映画も見れるので楽しみ」とのこと。

家族との連絡:
 いつものように、蓮見さんが昨日ラダさんから電話で聞いてくださった家族の消息を伝えました。ラダさんは、3週間ほどイラムに行っていたが、2日前、カトマンズに帰ってきた。イラム訪問の理由は、ご両親が寂しがっていたから。また、いつも冬になるとお母さんの喘息が起きやすいので、無理させないよう手伝いに行ってきた。ご両親とも元気だから心配いらない。ラダさんの留守中は、親戚が子供たちの面倒を見てくれている。子供たちは元気で学校に行ってるし何も問題ない。今日から1月8日までネパール滞在の西さんに、手紙、写真、本など託送する。ゴビンダさんも手紙を書いてほしいと伝えました。
 ゴビンダさんから家族への伝言はないかと訊いたところ、こちらからは基本的に月1通しか発信できない。11月は支援者に通信用の手紙を出した。12月はオーストリアの妹に3年ぶりの手紙を出した。1月は必ず家族に手紙を書きますとのことでした。
「支える会」から、ラダさんへのクリスマスカードと子供たちへのお小遣い1万円を託送したと言うと、とても喜んでくれました。

日弁連面会:
「いっぺんに5人の面会なんて初めてでした。日弁連の先生方3人が前の椅子に座って、神田先生と通訳は後ろに立ってました。すっかり緊張して、何をしゃべったらよいか、わからなかった。あれでよかったでしょうか」
 秋山先生が、ゴビンダさんのことを「とても純粋な青年だと好印象を受けた」とおっしゃっていた。来春にも日弁連の支援が決まれば、ゴビンダさんが冤罪であることが、今よりもっと広く世間に認知されるようになると話すと、「再審が大変なこと、わかってるけど、あまり嘆いてばかりいないで、なるべくポジティブな考えかたをしようと思って」などと今までにないほど明るい表情で語っていました。
「あまり先のこと考えるとつらいから、一日一日、一年一年を大切に過ごしましょう。その積み重ねがいつか必ずよい結果につながるから」と言うと、「はい!」と力強い返事。
「みんなゴビンダさんのこと応援してるから、がんばって。それじゃ、よいお年を!」と、窓越しに手を合わせ、今年最後の面会を終えました。
追記:
 山本眞砂子さんがインド旅行でサントスさんからプレゼントされたというヒンディー語の雑誌6冊と本1冊、面会室に持って入り、ゴビンダさんに窓越しに見せました。これにまつわるエピソード(下記)は、すでに手紙で書き送っておいたので、ゴビンダさん先刻承知です。
 ヒンディー語は、完全にわかるそうです。ネパール語と似てるし、とくに自分はインドに近い地域にいたから、ぜんぜん問題ないとのこと。
「ゴビンダさんが無実なのに日本の刑務所に入れられている。ネパールには、年老いた両親、奥さん、小さい子供たちがいる」と聞いたとき、サントスさんが非常に悲しそうな顔をしたこと。国籍、文化、境遇などが違っても、同じ人間として心が通じたこと、山本さんがゴビンダさんのおかげで大変感動的な体験をして感謝していることを話しました。
ゴビンダさんは、「ああ」と胸に手をあてる仕草をして、「私からサントスさんに、直接、お礼を言えないけど、彼の気持ち、とても嬉しいです」と目をうるませていました。

 山本さんが直接、送った本は、手続きに時間がかかっているのか、まだ送られてきたという知らせもないそうです。
 面会後、この雑誌と本、窓口から差入れてきました。私のざっと見たかんじでは、それほど過激な写真でもないので、たぶん問題ないと思います。少なくともサントスさんの好意をゴビンダさんに伝えることができたし、ゴビンダさんもそれをしっかり受けとめてくれたので、とても嬉しかったです。