無実のゴビンダさんを支える会

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日弁連からの支援への期待と緊張  2005年11月22日

客野です。

11月22日(火)、ゴビンダさんの面会に行ってきました。今日は早めに着いたので午後の面会開始より30分前に受付をしたところ、私が午後の1番でした。中に入れるのは、50分からなので、しばらく外の待合室にいたところ、守衛が内線電話で「急病人」がどうしたこうしたと慌しく話しあっているのが聞こえ、やがて塀の中から救急車が出てきて、表の道に出たとたんサイレンをならして走り去り、そのすぐあとから乗用車が1台、付いて行くのが見えました。
これは推測ですが、もし受刑者に刑務官が付き添って救急車で外の病院に連れて行ったのだとしたら、きっとよほどの重態なのでしょう。

ジャスト1時。面会開始と同時に番号を呼ばれ、面会室に入りました。「今、ちょうど昼ごはんを食べ終わったところです」と、ゴビンダさん。今日のメニューは、ハンバーグと焼きそば。「美味しかった」。

歯の治療:
先月の面会で話題になった「入れ歯」の件は、その後、客野からの手紙にも書いたとおり、歯医者が無理だというものはあきらめるしかないということで納得。ただ、他にも虫歯があり、今は塗り薬(コンジスイのようなもの)でごまかしているが、いずれは治療が必要になるだろうとのことなので、それなら、入れ歯のために差入れたお金は、将来の虫歯の治療のためにキープしておきなさいと言っておきました。

家族との連絡:
昨日、蓮見さんがラダさんから電話で聞いてくださった内容を伝えました。
「家族は変わりなく、みんな元気にしています。自分の家に住めるのは本当に嬉しくて幸せです。子供たちも家から5分くらいで行ける学校に元気で通っています。ミティラの方がエリサより勉強がよくできます(うん、ラダさんの手紙にもそう書いてあった、と頷くゴビンダさん)。今度ネパールから日本に帰る方に手紙と写真をことづけます。こちらも書くからゴビンダさんもできるだけ頻繁に手紙をください。最後に、また I love you と言ってください」
ゴビンダさんからは、「家族からの手紙と写真が届くのを楽しみにしてます。自分からは月に1通しか出せないので、11月は支援者への手紙を書いて、家族には12月になったら必ず書きます」とのこと。

今井さんの激励メッセージ:
「ニック・ベイカーさん、北稜クリニック事件の守大助さん、そして南アフリカから来て、千葉拘置所でえん罪を訴えているクイントンさん(26歳)などに、ゴビンダさんが描いた絵葉書を送っています。それぞれの人たちが、ゴビンダさんと同じように苦しい状況にいます。そうした人たちにとっても、ゴビンダさんが描いた絵と、あきらめずに無実を訴え続け、再審を求めているゴビンダさんの存在が大きな励ましになっています。みんな、自分も同じように苦しい状況にあるからこそ、ゴビンダさんの無実の訴えの意味がよくわかり、そして自分も励まされているということです」

他の冤罪事件のこと、簡単に説明しました。ゴビンダさんはとても関心をもって聞いていました。昨日の名張の集会のことについても話しました。「奥西さんは一審無罪なのに高裁で逆転死刑判決になった。ゴビンダさんも高裁で逆転有罪になったから、それがどれほどショックなことかよくわかるでしょ」と言うと、ゴビンダさんは「ええ!」と相槌をうち、「きっと、ほんとは無実だとわかってるから、そんなに長い間、死刑にできなかったんだよ」などと言っていました。

山田会長の激励メッセージ:
「11月23日、名古屋で、全国各地で再審・えん罪事件を支援している団体の集まりがあります。この集まりでは、いま日本の裁判所で進行している、人権侵害や冤罪事件の犠牲者をどのようにして支援するかという問題や、再審請求事件の支援の方法、在獄者の処遇改善の問題などが議論されます」

救援会の支援について説明し、私は残念ながらこの集まりには行かれないが、ゴビンダさんのことを書いた『救援情報』の記事やカラーリーフレットなどで、ゴビンダさんのことをみなさんに伝えるよう、お願いしてあると話しました。
これらの記事やリーフレットの内容は、ゴビンダさんにも読めるようローマ字になおして送ってあげています。これは自分でも、もっと事件のことをちゃんと勉強して再審を闘うための力をつけたいという、ゴビンダさんの希望によるものです。

難しい単語は辞書をひいているそうですが、それでもわかりにくいものもあるようです。たとえば「要請」とはどういう意味かと聞かれました。また「署名」と「証明」など、ローマ字では区別しにくい単語もあるようです。しかしふつうの日常会話ならほぼ完ぺきなゴビンダさんですから、いずれは専門用語も覚えることでしょう。

日弁連の支援について:
11月28日に日弁連人権擁護委員会から、秋山先生、今村先生、佐藤先生が通訳同伴で面会にいらっしゃることについて、これが支援決定のためのいわば「審査」であることを知っているゴビンダさんは、「何をお話したらいいと思うか?」などと少々緊張ぎみ。また「支援が決まったら日弁連は裁判所に何かアピールのようなことをするのか?」など、いろいろと質問していました。

写真:
先月、神田先生、佃先生、事務局スタッフ、私の家族やこうたろうくんの写真など合計12枚を面会室で見せた後、窓口から差入れしてきました。ところが、実際にゴビンダさんの手元に届くことを許されたのは、蓮見さん(文通を許可されている)と客野(身元引受人)の写真2枚だけだったそうです。どうやら交通権のない人については写真さえもダメということらしいのですが、これは初めて知って驚きました。
今回もこうたろうくんの騎馬戦の写真を持参したのですが、そういうしだいなので面会室で見せただけで持ち帰りました。

今日は説明を要する難しい話題が多かったせいもあり、あっという間に20分がすぎてしまいました。希望によりタオル2枚と切手、今月の支援金を差入れました。
来月は、12月20日(火)を予定しています。