無実のゴビンダさんを支える会

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冤罪者は希望がある!  2005年7月20日

客野です。7月20日午後、ゴビンダさんの面会に行ってきました。

 「ナマステ!」挨拶を交わすなり、付き添いの刑務官から「今日はずいぶん待ったでしょう。どうもすみませんでしたねえ」と思いがけない優しい言葉をかけられ、ちょっぴり感激。
 じつは、午後1時の面会開始より20分早く受付をしたのですが、めずらしいことに先客がすでに4組も。さらに、いつもは2〜3組ずつ呼ばれていくのに、なぜか今日は1組だけ。結局、1時間以上待たされて、やっと私の順番が来たのは2時だったのです。  待合室はクーラーがきいていて涼しかったし、私はこういう状況で待つことには慣れているのでかまわないけれど、ゴビンダさんの方が「いつもより来るのが遅い」と待ちくたびれていないかということだけ気がかりでした。ところが、そう言うと、ゴビンダさんは、「いえ、今日は仕事がない日で、昼食後、お風呂に入って、部屋に戻ったら呼びに来た」と言うのです。今日は2級と3級の人たちの集会(映画を見たりお菓子を食べたりするレクリエーション)がある。ゴビンダさんは4級だから、まだ集会には出られないが、そのかわり仕事が休みになるのだそうです。
 「そういう日は、本を読んだり日記を書いたりしている。独居だから静かに落ち着いて過ごせていい。雑居だと気の荒い人たちがいて、外国人とか刑期の長い人はイジメラレルから」。どんな目にあったのか、立会いの刑務官がいるので具体的には聞けませんでしたが、とにかく雑居はこりごりという口調でした。独居にせよ雑居にせよ、もちろんクーラーなどありません。作業場にも扇風機だけしかなく、しかも「自分の席は奥の方なので風がこなくてとても暑い」。ちなみに、先月もらった作業賞与金は、3,183円だったとか。  「みなさん元気ですか?」と訊かれたので、預かってきたメッセージを読み上げました。  山本さん:「これからも絵を楽しみにしています。描き続けてくださいね。ゴビンダさんのことは、けっして忘れていないし、信じ続けています」
 熊野さん:「こないだ買い物をしていたら、『涙そうそう』が流れてきました。今頃どうしているかなと、ゴビンダさんのこと、そしてラダさんのことを思いました。ご家族にも手紙を書いてあげてくださいね。笑って家族みんなと会える日が来るまで、どうかがんばってください」
 それを聞いたゴビンダさんは、「ちょうど2日前、客野さんに送った手紙に、仏陀などのイラストを2つ描いておきました。また何かに使ってください」。また「家族に手紙を書かなくちゃといつも思っているんだけど、いざ書こうとすると、いろいろ思い出してつらくて眠れなくなっちゃう。それでなかなか書けずにいる。でも来月は必ず書きますから」と言っていました。なお、熊野さんからの誕生日カードは、やはり本人には届いたことさえまったく知らされていませんでした。
 最後に、桜井昌司さんからファクスでいただいた長文の手紙を読みました(大変すばらしい内容なので、ご本人の了解を得て全文をご紹介します)。

 「ゴビンダさんへ。また暑い夏が来ました。塀の中の暑さを、嫌になるほど経験した私は、何時も『ゴビンダさんは元気にやっているかな』と案じています。
 お元気ですか? 時々、ゴビンダさんの様子は聞いていますが、大変だと思います。毎日が『何故だ!』という冤罪への怒りと絶望。でも、そういう思いだけに囚われていては、決してプラスは無いですからね。
 この前、話したと思いますが、今日という日は、ゴビンダさんの人生に一日だけです。刑務所にいようと社会で生きていようと、それは同じです。冤罪は苦しい口惜しい、言葉にできない大変な体験ですが、人生の大切な一日だから、そして、苦しいからこそ、明るく楽しく過ごしましょう!
 ゴビンダさんも再審請求をしてますけども、私たちの再審は、近くに裁判所の決定がありますよ。必ず勝てると信じていますが、冤罪者は希望がある!この前も言いましたよね。ゴビンダさんと一緒にいる人の多くは、残念ながら犯罪を犯し、仮釈放しかありません。しかし、私たちは『無罪』という希望が何時でもあるのです。それを忘れないで、何時でも明るくね、楽しい思いで毎日を過ごしてくださいね。
 私たちの決定日は2週間前に裁判所から知らされます。ゴビンダさんの再審にも力となる様な決定を期待していてください。足の裏が暑くなる様な運動場で走り回った日々、熱気が充満する独房で眠れない夜を過ごした日々、つい先日まで有ったのに、何だか遠い夢のよう、それが今の私です。そんな日がゴビンダさんにも来る、必ず来ますからね。
 どうか健康に注意し、自分で管理して、社会に帰ったら、すぐに働く!という思いで過ごしてください。何時もゴビンダさんのことを考えています」


 ゴビンダさんは、一区切りごとに「ハイ!」とか「アア!」とか頷きながら真剣に聞き入っていました。「明るく、楽しく」という心境にまでは、なかなかなれない今のゴビンダさんですが、やはり自分と同じ体験をした桜井さんならではの言葉に強く感じるものがあったようです。
 直接、手紙をやりとりすることはできなくても、このようにかなり長文のメッセージでも、面会の時に口頭で伝えることができます(変な話ですが、現在の法令ではしかたありません)。どうぞみなさまも、随時、私のところに、ゴビンダさんを励ますメッセージを送ってください。次回面会は、8月23日(火)を予定しています。