ゴビンダさんに正義を求める運動支援の決議文
(カトマンズにて、WCARに向けてのNGO会議)


 ゴビンダ・プラサド・マイナリ氏は、日本に居るネパール人移住労働者である。彼は 1997年3月、殺人罪で逮捕され、2000年4月、東京地方裁判所により証拠不 十分で無罪判決を受けた。検察側は地裁の判決を不服とし、東京高等裁判所に控訴した。マイナリ氏は無罪判決後即座に釈放されるべきものであったにもかかわらず、検察側は氏の継続拘置を要求した。2000年12月、高裁は地裁判決をくつがえし、マイナリ氏に無期懲役の判決を下した。

 高裁による有罪判決に至る取り調べを行うにあたり、証拠と証人の提出において、日本当局は、日本の刑事訴訟法に明記されている指針と正式な手続きに違反して、正当な理由もなく拘置を継続した。
 裁判所は、マイナリ氏が自らの無実を証明する反対証拠を提出する権利を与えず、彼は、審議に対する権利を完全に行使することを拒否された。
 出入国管理局は、地裁による無罪判決の後マイナリ氏の出国を遅らせ、高裁と共謀する行動をとった。
 警視庁、検察庁、裁判所、出入国管理局は、資格外就労のオーバーステイ外国人であるマイナリ氏の弱い立場を悪用し、日本で受けうる正当な司法上の権利を与えなかった。  マイナリ氏事件の裁判とその判決結果は、日本での単純労働におけるアジア人移住労働者に対する差別を反映している。彼らは、日本経済への貴重な貢献にもかかわらず、日本での存在すらも認められず、在留資格のビザも与えられない。アジア人移住労働者、特に資格外就労者は、社会秩序への脅威とみなされ、増加する社会問題のスケープゴートとして利用されている。
 マイナリ氏に対し許し難い不正義が行われた。
 上記の諸事実を鑑み、以下のように決議する。

 当フォーラムは、最高裁に公正な裁判とマイナリ氏に無罪判決を下すことを要求する日本の「無実のゴビンダさんを支える会」の運動に全面的支援を行う。また以下のようにも決議する。この件につき、日本政府は迅速かつ公正に対処すること。

人種差別、排外主義に対する国連の会議に向けてのアジア太平洋NGO会議参加者採択

ネパール、カトマンズ 2001年4月27日〜29日