「解説」
 フェルナンド・デル・ソラーさんは米国でUFPJの一員として活躍している反戦ラテン系アメリカ人です。彼は保守的なカトリック信者で、ブッシュの保守路線、同性愛忌避、妊娠中絶反対などに同感していた一人でしたが、我が子を失ってブッシュの政策に疑問を持つようになりました。彼は戦死した子どもを持つ親たちの反戦グループを組織し、仲間とともに、米国各地の高校をまわって、米軍に志願しないように説得するキャンペーンをしています。
 今回、イラクでの米兵死者2千人に達したの機に書簡を発表しています。貧しいが故に米兵の多数を占めると云われるヒスパニック系アメリカ人の親の悲しみを聞いてあげてください。私のお粗末な訳ではありますが。

2000人目の米兵死亡者が出たことを聞いたフェルナンド・スアレス・デル・ソラーからの手紙

 今日、2005年10月25日に、イラクでの米軍の死亡者は2000人という深刻な数に達した。
 2003年3月27日に、イラクの不法占領が始まってからちょうど7日後に、5番目の米兵死者(そしてこれはラテン系アメリカ人の二人目)が倒れた――私の息子イエサス・アルベルト・スアレス・デル・ソラー・ナバロだった。
 その2年7カ月後に、私たちは2000人目の死者を迎えた。2000人の若い人々は各々夢をもち、大きな可能性を持っていたが、その一人一人は犯罪戦争に私たちを引きずり込んだ強大な権力を持った人のグループによって不道徳な理由で操られ、騙された。
2000組の家族が破壊され、4000人の親たちが蹂躙され、最も貴重な財産である子どもたちから引き裂かれた。
 だからどうだと言うのか? 誰が死んでいく若者など気にするというのか。家族だけが心配しんている。ブッシュの犯罪者政府は、イラクが良くなっているとか、使命が終わるまで撤退するつもりはないなどの建前論を継けるばかりだ。
 どんな使命だというのか? イラクには人道主義の使命がないから、これは明白に、支配階層の個人的な目標なのだ。

 2000人の死者という恐ろしい数字に達したことを知った時、私は泣いた。また一人若いアメリカ人が死んだことを知って苦しくて、私は泣いた。それは私の悲劇と苦痛を思い出させたからだ。
 私は息子が不必要な戦争で死んだことを知って魂に痛みを感じていたに違いない母親のことを、そして、自分の息子と国家を誇りにしていた父親のことを考えた。予期もせず、国家が彼を裏切り、そして、彼の息子は居なくなった。
 私は、ブッシュが自己に没頭し、架空のキリスト教にうずもれている中で、自分が引き起こしている凄絶な苦難ーまた家族の激痛や、彼がさらに大きな危険にさらした私たちの国への損害を理解しているかどうか知らない。

 しかし、私には確かなことが一つある。ブッシュは罰せられる。処罰されて彼は血の涙を流して泣く。私の家族と1999組の他の家族が亡くなった子どもを思い出して流す涙と同じ血の涙を。
 この犯罪戦争を終結させるためにどれほど多くの血がいるというのか。あと何人のイラクの子どもたちが死ななければならないのか。あと何人の勇敢な若いアメリカ人が死と言う犠牲を払わなければならないのか。あと何人の親が息子と娘のために嘆き悲しまなければならないのか。
 誰が私に答えてくれるのか。誰?
 私たちは、嘘と死が今日、止まることを要求しなければならない。
 イラクの占領を終了せよ。今私たちの軍隊を帰宅させてくれ。

 フェルナンド・スアレス・デル・ソラー。
  ヘサス・スアレス・デル・ソラーの父