現代企画室

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社会のなかの美術
拡張する展示空間

中原佑介/著
2022年9月刊行
定価2500円+税
B5変並製・364頁
ISBN978-4-7738-2208-3 C0070

芸術の行くすえを見つめる中原佑介。
後期旧石器時代の洞窟壁画から2000年代の「大地の芸術祭」まで、「展示」のあり方から芸術の変遷を論じ、未知の可能性を展望する中原芸術論の白眉。
2000年代になって中原が「新たな芸術の展開を示すもの」と論じた「大地の芸術祭」。中原が「大地の芸術祭」に見たものは何だったのか。1950年代までさかのぼって国際展のあり方、観客と大衆、教育と美術などを論じたテキストを概観し、都市や文明の課題と芸術の接点について、中原が積み重ねてきた思考の軌跡をたどる。


[目次]
第一章:社会のなかの美術
日宣美の問題
芸術のすすめ これぞ大画家への道
「ロバの尻尾」論
戦争と美術についての断章
タブローとパノラマ、二つの視座 市民社会と世界空間の発見
ヒトは洞窟の奥に何を見たのか

第二章:観客とコミュニケーション
絵画とコミュニケーション
絵画と大衆の接点
アメリカ版「空想の美術館」 「ライフ ・ 百万人の名画展」というダイジェスト美術
ハプニング 体験としての芸術
美術と機能のあいだ
大衆を包みこむ芸術

第三章:展覧会の時代
「展覧会の時代」とは何か?
新しいものの歴史 苦悩するアメリカ絵画
再生と方向 報告ヴェネツィア・ビエンナーレ一九七六
西の文化の現在
現代美術の位置
展示とのたたかい

第四章:都市空間と芸術
反恒久的なものを 建築と美術の関連について
ロケイションの思想
彫刻は都市に住めるか
都市の言語(パロール)劇団天井桟敷「地球空 洞説」
建築への美術家の寄与 高松次郎と多田美波の場合

第五章:地域と美術 越後妻有アートトリエンナーレ
脱都会の美術の活力
芸術の復権の予兆
「前芸術」の祭典
越後妻有 アートトリエンナーレのもたらしたもの

【著者紹介】中原佑介(ナカハラユウスケ)

1931年、兵庫県に生まれる。京都大学理学部物理学科卒業、同大学院の湯川秀樹研究室で理論物理学を専攻。1955 年、修士論文と並行して書いた「創造のための批評」が、美術出版社主催第二回美術評論募集第一席に入選したのを機に美術批評の道に進む。1970年に第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人 間と物質」のコミッショナー、1976年と1978年にヴェネツィア・ビエンナーレのコミッショナー。2000年からは越後妻有アートトリエンナーレのアートアドバイザーを務めた。京都精華大学学長、水戸芸術館美術部門芸術総監督、兵庫県立美術館長などを歴任。2011年没。

主な著書:『見ることの神話』フィルムアート社、1972年/『人間と物質のあいだ―現代美術の状況』田畑書店、1972年/『ナンセンス芸術論』フィルムアート社、1972年/『大発明物語』美術出版社、1975年『現代芸術入門』美術出版社、1979年/『現代彫刻』美術出版社、1987年/『ブランクーシ―Endless beginning』美術出版社、1986年/『一九三〇年代のメキシコ』メタローグ、1994年/『なぜヒトは絵を描くのか』フィルムアート社、2001年など