現代企画室

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田中信太郎-風景は垂直にやってくる

田中信太郎/著
2020年8月刊行
定価1800円+税
B5並製・80頁
ISBN978-4-7738-2006-5 C0071

田中信太郎の60年にわたる作家人生は、1960年以降の日本の現代美術史そのものと言っても過言ではない。

田中信太郎の鮮烈なデビューは高校を卒業したばかりの19歳のとき。その後、読売アンデパンダン展で注目を集め、田中のミニマルな表現は美術界のみならず、倉俣史朗をはじめとするデザイナー、建築家にも強いインパクトを与えた。そして「人間と物質」展やヴェネツィア・ビエンナーレなどの国際展で日本を代表するアーティストとして活躍。

本書は、その初期から晩年までの主な作品を、ドキュメント写真や作家自身の言葉も交えながら網羅的に紹介した作品集である。
光田ゆり、中井康之、保坂健二朗、篠原有司男、吉野辰海、中原浩大によるエッセイや池田修×北川フラムの対談なども収録。

2019年8月に亡くなった田中信太郎を偲び、市原湖畔美術館にて2020年8月8日から10月18日まで個展を開催。

市原湖畔美術館
https://lsm-ichihara.jp/

【著者紹介】田中信太郎(タナカシンタロウ)

1940年、東京生まれ。茨城県立日立第一高校卒業後、上京。二紀会展(褒賞)、 読売アンデパンダン展に出展。 1960年、ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズに参加。その後、第6回パリ青年ビエンナーレ展(ʼ69)、第36回ヴェネツィア・ ビエンナーレ(ʼ72)への参加など、国際的に活躍。80年より病気療養のためしばらく制作から離れるが、回復後、《風景は垂直にやってくる》(ʼ85)を発表。ブリヂストン本社ロビー彫刻《そのとき音楽が聴こえはじめた》(ʼ86)、越後妻有《〇△□の塔と赤トンボ》、札幌ドーム《北空の最弱音》などのコミッションワークを多数手がける。2001年「饒舌と沈黙のカノン」(国立国際美術館)開催。日立市のアトリエで精力的に制作を続けた。2019年8月23日、逝去。