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テルエルの恋人たち

フアン=エウヘニオ・ハルツェンブッシュ/著
稲本健二/訳
2018年9月刊行
定価2800円+税
4-6上製・136頁
ISBN978-4-7738-1809-3 C0097

レコンキスタ華やかなりし頃、スペイン東部のテルエルという町で悲恋の物語が生まれた。16世紀に同じ町の教会で男女二人のミイラが発見された。
二つが結びついてスペインでは誰もが知る伝説となり、19世紀になってこの悲恋の伝説を下敷きにして、スペイン・ロマン主義演劇の代表作というべきこの戯曲は生まれた。
現代企画室「ロス・クラシコス」シリーズ最新刊
⑤リバス公爵『ドン・アルバロあるいは運命の力』
⑧アントニオ・ガルシア=グティエレス『吟遊詩人』(いずれも稲本健二訳)
に続く、スペイン・ロマン主義演劇の3大悲劇の翻訳、成る!

【著者紹介】フアン=エウヘニオ・ハルツェンブッシュ(フアン エウヘニオ ハルツェンブッシュ)

スペイン・ロマン主義演劇の中心的存在。劇作だけでなく、詩にも散文にも筆を染めた。ドイツ系移民の二世としてマドリードに生まれたが、二歳の時に母親を失い、ナポレオンの侵略でマドリードを離れたり、父親の政治活動が原因で財産没収の憂き目にあったりして、極貧の幼少期を過ごした。父親の工房で家具職人として働き出したが、サン・イシードロ学院で学んだ外国語の能力を活かして、外国文学の翻訳や翻案をして糊口をしのいだ。速記者として国会の議事録作成に従事したり、文芸雑誌とも関係ができたお陰で、作品を発表する機会を得ていく。最初の戯曲は失敗に終わったが、1837年の年頭に初演された『テルエルの恋人たち』が大成功を収めた。以後も戯曲を発表し続けるが、国立図書館で司書の職を得て、スペイン古典文学の研究にのめり込んでいく。スペイン古典劇の三大劇作家の作品集を企画・校閲、セルバンテスの『ドン・キホーテ』を四巻本で記念出版などを手がける。1847年にスペイン王立言語アカデミアの会員に推挙され、55年には師範学校の校長、62年には国立図書館館長となり、19世紀後半の知識人を代表する存在となる。館長職を定年まで勤めあげた後、病魔におかされて80年に74才で生涯を閉じた。代表作『テルエルの恋人たち』の他にも、『ドニャ・メンシーアあるいは異端審問所での結婚式』(1838)、『サンタ・ガデアの誓い』(1845)『、純潔王アルフォンソ』(1841)等の歴史劇に秀で、『魔法の小瓶』(1839)、『セレスティーナ母さんの粉薬』(1841)といった視覚的な舞台効果を多用する魔法劇にも独自の才能を開花させた。

【著者紹介】稲本健二(イナモトケンジ)

1955年生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)大学院修士課程修了。同志社大学グローバル地域文化学部教授。スペイン文学専攻。マドリード・コンプルテンセ大学およびアルカラ・デ・エナーレス大学で在外研究。文献学、書誌学、古文書学を駆使して、セルバンテスやロペ・デ・ベガの作品論を展開。国際セルバンテス研究者協会理事。さまざまな国際学会で研究発表をこなし、論文のほとんどはスペイン語で執筆。元NHKラジオ・スペイン語講座(応用編)およびテレビ・スペイン語会話担当講師。日本イスパニヤ学会理事および学会誌『HISPANICA』の編集委員長も務めた。1990年から2001年まで文芸雑誌『ユリイカ』(青土社)のコラム「ワールド・カルチュア・マップ」でスペイン現代文学の紹介に努める。訳書には牛島信明他共訳『スペイン黄金世紀演劇集』(名古屋大学出版会、2003年)、フアン・マルセー『ロリータ・クラブでラヴソング』(現代企画室、2012年)、アントニオ・ガモネダ詩集(アンソロジー)』(現代企画室、2013年)など。