現代企画室

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植民地を謳う
シャンソンが煽った「魔性の楽園」幻想

猪俣 良樹/著
2011年7月刊行
定価2000円+税
4-6上製・228頁
ISBN978-4-7738-1109-4 C0073

フランスはかつて一大植民地帝国であった。アジア、太平洋、アラブ、アフリカ、アメリカ大陸の一部にまでその支配力を及ぼした。現地の人びとを「野蛮人」や「食人種」として侮蔑しながら、男たちはそこに楽園幻想を抱き「女・裸・阿片」を謳い上げる「植民地シャンソン」を生み出した。その時代は、終わりを告げたのだろうか?



【人間の想像力が作り出した〈白鯨〉や〈ゴジラ〉のような】

「巨大な妖怪が原子力発電所に姿を変えて現代に甦った。福島原発が齎した今回の大災害は、間違いなく、この奢れる妖怪が奏でた滅びに至る魔曲だと言える。ニューカレドニアの大族長ベルジェ・カワ氏は、生きとし生けるものにとって一番大切なもの、一番神聖なものは土だ、と力説した。いま、生命の根源を破壊した原発事故のニュースを、カワ氏はどのような思いで受け止めているだろうか。」—本書より

【著者紹介】猪俣 良樹(イノマタ ヨシキ)

日曜作家(ノン・フィクション)。日曜歌手(レトロ専門)。ヴォードヴィル研究家。元NHK国際局フランス語班チーフ・ディレクター。主な著書に『日本占領下 インドネシア旅芸人の記録』(めこん、1996)、『パリ・ヴェトナム 漂流のエロス』(めこん、2000)、『黒いヴィーナス ジョセフィン・ベイカー』(青土社、2006)がある。

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