現代企画室

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アフリカの海岸

ロドリゴ・レイローサ/著
杉山晃
2001年9月刊行
定価1800円+税
A5変上製・156頁
ISBN978-4-7738-0110-1 C0097

捕らわれたフクロウと自由を失ったコロンビア人、羊飼いの少年とパリジェンヌ、モロッコはタンジェの街で一瞬だけ出会い、そのまま離散してゆくものたちの物語。

【著者紹介】ロドリゴ・レイローサ(ロゴリゴ・レイローサ)

1958年、グアテマラに生まれる。学業を終えてのち、「内戦状態が続いて、落ち着いて文学に打ち込める環境ではない」グアテマラを離れ、ニューヨークに向かう。そこで映画の勉強をしてから、1982年、モロッコに長いこと住む米国の作家、ポール・ボウルズ(1910〜1999)が講師をつとめるワークショップに参加するためタンジールを訪れる。20代前半の若者の文学的才能を認めたポール・ボウルズは、レイローサの短篇を自ら英訳して米英で出版、タイムズ紙文芸付録の書評子が「土着的な題材を夢幻の領域に取り込んだこれらの掌編は驚異的なまでにみごとだ」と書くなど、高い評価を受けた。タンジールに十数年留まり、『乞食のナイフ』(1985)『静かな湖水』(89)『樹林の牢獄』(92)『船の救世主』(92)『セバスティアンの夢』(94)『片足の善人』(96)『その時は殺され……』(97)『聖域なし』(98)などの作品を次々と発表してきた。その作品世界は、現実と幻想、土着的なものと都会的なもの、さまざまな人種や文化が微妙に絡み合う点などで、他に代えがたい魅力を醸しだしており、ラテンアメリカに生まれながらそこをも超えてゆく新しい可能性を秘めた作家として注目される。