文学

幻燈島、西へ
野崎六助 著/46判・288p/94.8/2300円+税
処刑された兄の死体を引き取りに、幻燈島の入り口に立つ少年クニオ。そこはメガロポリスの残骸か、虐殺の島か。資本主義世界の断末魔を描くファンタジー。


母系の女たちへ
ペッパーランド企画・編集/菊判・192p/92.12/2000円+税
17人の女性詩人が、母への思いを詩とエッセイで綴る。からだやこころを通して、最も人間的にかかわった同性の存在を描いて、新しい、女たちの言葉を生み出す。

ポートレイト・イン・ナンバー 鈴木隆之作品集
鈴木隆之 著/46判・200p/88.8/1500円+税
「小説を設計する」と語る若き建築家が硬質な筆致で描く青春の軌跡。群像新人賞の表題作ほか、建築と文学をめぐるエッセイは、新しい世代の文学の誕生を告知。

ヘンデルとグレーテルの島 水野るり子詩集
水野るり子 著/A5判・96p/83.4/2200円+税
詩人の中にいつも佇む一人の子ども。その子の見る色彩と音と匂いに満ちた夢は、昼の光の下どこに行ったのだろう。自らの生の立つ混沌の世界をうたうH氏賞受賞作。

短編小説名作選
岡保生・榎本隆司編/A5判・350p/82.4/1800円+税
露伴・鏡花・一葉・鴎外から、横光・川端・三島・吉行にいたる21人の近代作家の名作短編にあわせて、年譜・解説・注釈を付けた。テキストとしても最適。

雪の権蔵 会津南山御入騒動冬夜話
村上義人 著/46判・214p/81.3/1500円+税
一揆に加勢する居付サンカの権蔵と、処刑された庄屋の娘お糸がたどる悲劇。貧しく虐げられたもの怒りを描く、病魔にたおれた詩人の遺作。