学労ネット

プランゼロのGIGAスクール、一体どうなる?

2021年3月31日掲載

 私の職場ではGIGAスクールの用意が2月末で終わりました。今、教室では、大人も子どももおっかなびっくりPCをさわり始めています。せまい教室の後ろには、ずいぶん前からPC充電保管庫が鎮座し、Wi-Fi電波を飛ばす装置も黒板の上に作られました。PCはタブレット型ですがPCと同じ働きをするそうです。
 職員総動員で500台以上のPCの初期設定をしました。それでは足りず、教頭が一人で2回目の設定を500台分やっていました。
 「家に持ち帰りができる」「6年生は卒業したら中学に持っていく」など、びっくりするプランですが、「家でちっちゃい弟がPCに水こぼして故障したらどうするん?」とか「毎年新1年生にPCを補給するん?資金は!?」とか「職員のPCさえ故障したら修理に半年かかるのに(笑)、GIGAスクールのメンテナンス面が全く見えてこない!」とか、ツッコミどころ満載です。
 市教委によると、教育委員会のあらゆる所から資金をかき集めた由。PC本体よりWi-Fiの装置に莫大な金がかかったとの事。それが理由か定かではありませんが、教員の来年度の研究費が1/5に削減、また、小学校の図書館支援員を「司書資格を問わない読書活動協力員」に新年度から変更が決定。(月給が月8万円減るケースもある由)ここまで来たら、「ひと」より「施策」をとる市の冷酷さに唖然とします。
 私見ですが、メンテナンスに予算をしっかり取らない限り、早晩子ども達のPCは無用の長物となり、保管庫で永い眠りつくことでしょう。
 以下、学労ネット・高槻が、教育センターに出した質問状と、その回答です。
(長谷川 洋子)





高槻市教育センター 
GIGAスクール担当者 様

学校労働者ネットワーク・高槻
執行委員長  松 岡   勲

質 問

 学校労働者ネットワーク・高槻の申し入れをいつも快くお受け頂き、ありがとうございます。つきまして、GIGAスクールについて下記の質問に、書面で頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

(1)GIGAスクールにおける個別化学習は、これまで高槻市の小中学校で行われてきた「主体的・対話的学び」を目ざすアクティブ・ラーニングと全く正反対のものである。
・高槻市は、アクティブラーニングの総括をどのようにされたのか。
・その総括に基づき、どのような角度から、GIGAスクールの個別化学習を行おうとされているのか。

=センターの回答=
 現在、新学習指導要領に基づき、「主体的・対話的な深い学び」の取組を進めているところであり、GIGAスクール構想の取組はアクティブラーニングに資するものと考えております。

(2)GIGAスクールの個別化学習を進めていくと、どうしても個人差がついてしまう。また、公教育の長所であるクラスでの共同の学びが困難になり、人間的成長の機会が減少するのではないか。GIGAスクールが持つそのような欠点を、教育センターではどのようにお考えか。

=センターの回答=
 GIGAスクール構想における個別最適な学びは、児童生徒一人一人の学習状況に応じた、きめ細やかな質の高い教育を目指すものです。また、導入する授業支援を活用し、協働的な学びにも資するものと考えております。

(3)各教室で、児童生徒が各自無線接続した時、電力密度は0.49mW/㎠になる実験0結果が出ている。実際に児童生徒のめまい、吐き気等の健康被害も報告されている。電磁波による児童生徒の健康被害への対策をどのように考えておられるのか。

=センターの回答=
国の各種指針やガイドライン等も踏まえ、健康にも留意し、環境整備を進めてまいります。