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指導課交渉報告

2020年3月28日掲載

2020.2.6(木)18:00~12F 教育委員会室

 英語教育・道徳教育・プログラミング教育・キャリア教育・小中連携…等々、指導課から次から次へと現場に下りてくる。それらが職員の超過勤務を増大させ、休憩時間にまで食い込んでいる実態。しかし、
休憩時間に会議が入っていても、指導課は、その実態を調べる担当ではない
と、平気で開き直った指導課。働き方改革をわずかずつでも進めようとしている中、あまりにも無責任な態度に、強く抗議!!しました。
 また、指導課の回答が、こちらの要求に対する回答になっていないものや、事実と違う回答が多々あり、回答書にかかれているものと全く違う回答を口頭でするという、いい加減なものもありました。交渉の最後に課長が謝罪しましたが、許されるものではなく、誠実な対応をするよう強く求めました。
 以下、重点項目を中心に報告します。

A.2学期制について
➡2学期制のため、運動会後から前期評価の10月が超多忙になっている実態や
その他のデメリットをあげ、2学期制を廃止するよう要求した。

B.連携型小中一貫教育について
➡中学校ブロックで月一回行われている連携会議が、休憩時間から始められていたり、超過勤務になっていたりする実態がある。連携教育の担当課である指導課として、その実態を検証するよう要求した。ところが指導課は、回答書には『関係各課と連携し、業務改善について努めてまいりたい。』と書いておきながら、「休憩時間に会議が入っていても、指導課はその実態を調べる担当ではないので、把握していない。」と無責任な発言。私たちは怒り、「指導課として主体性を持って、業務改善を進めろ。」と追及した。
確認事項
連携教育に関する会議等が、休憩時間に入っていないか調べる。実態があれば、教職員課と相談する。


C.特別支援教育について                           
➡市内の学校には、特別支援教育に関わる加配教員はいない。
 ダブルカウントへの国の動きはない。
 市の特別支援教育支援員増員を要求した。

D.道徳教育・日の丸・君が代・元号
(1)道徳教育の押しつけに反対せよ
➡市教委は、「教科書の内容が愛国心教育を押しつけている内容になっている認識は持っていない」との間違った見解をもったままである。また、「教えこむのではなく、友だちの考えを聞いて自分の考えを深める」ものであると言うが、現場では、徳目(   )を教えこむという現実があるように感じる。道徳の教科化に根本的な問題がある。
確認事項
・道徳教育を押しつけるのは、よくない。
・教材は、適切なものを選んでよい。

(2)「愛国心」を押しつけないこと。「愛国心」や「道徳」の評価は「内面」の評価であり、「思想・良心の自由」の侵害になる。
➡市教委は「愛国心」を押しつけないこと、「内面の評価」をしてはいけないことには答えていない。「思想・良心の自由」の侵害になる、という主旨をふまえるよう要求した。
確認事項
・数値評価はしない。
・内容を押しつけない。

(3)~(6)入学式や卒業式などで「日の丸・君が代」に関わって、児童・生徒、保護者、教職員の「内心の自由」「思想・良心の自由」を侵害しないこと。「日の丸掲揚・君が代斉唱」を強制しないこと。
➡回答では、『学習指導要領に基づき、卒業式・入学式における国旗・国家の取り扱い適切に行われるように指導している。』と言っているが、学習指導要領に「職務命令を出す」「ピアノ伴奏を強制する」「処分をする」ということは書かれておらず、根拠はない。府の条例に定められているのだから、書き変えてきちんとした回答を出せと要求した。
確認事項
回答(職務命令は必要ないという状況)を組合とすり合わせて書き直す。


(7)新天皇即位にあたっての文部科学省の通知(「日の丸」を掲げて「祝意」を「奉表」せよ。「祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるように」)を、どのように市内の小中学校に下ろしたのか。
➡市教委は、文科省からの通知を各校にメールで送っていた。しかし、回答には全く書かれていない。回答を正確に書くよう強く要望した。また、大阪市立泉尾北小学校のような「天皇即位記念」の児童集会や校長講和等が高槻市内で行われたということは、把握していないということだ。
確認事項
市教委総務課から出された通知を情報提供する。

(8)東京オリンピック・パラリンピックに関わる通知の内容、「愛国心教育」「日の丸」掲揚「君が代」斉唱等を行わないこと。
➡口頭で市教委から、「文科省からスポーツに関する通知があった。また、ポスターの募集・パラリンピックの教材・出場者の話を聞く等を各校に下ろした。教育内容に関する通知は、なかった。」という回答がなされた。要求書に書いているにもかかわらず、文書での回答には書かれていなかった。
確認事項
・文科省からの通知を情報提供する。
・文科省からの通知の部分をつけ加えて回答書を書き直す。

(9)元号の強制をしないこと
確認事項
・卒業証書の生年月日表記は、児童・生徒及び保護者の意向確認をしている。
・卒業証書の発行年月日については、確認して連絡する。


E・学習指導要領に関して
・授業時間数・学習内容の増加が、児童・生徒、教職員への過度の負担となっており、それをなくすための条件整備の内容や見通しを問い質した。
➡具体的な内容の回答は全くなし。その上、「それらの仕事は校長の裁量範囲で(これを強調したいのか)、何か問題があれば指導する」という又しても無責任な態度。業務削減に向けて、指導課が取り組むべきこと、工夫することは何なのか考えよ!

(3)道徳の数値による段階評価や自己評価をさせるな。
➡高槻で使用している日本文教出版の中学校教科書は、生徒に『自己評価』(数値評価)をさせている。また、小学校道徳教科書の中にも同様の評価をさせているものがある。児童・生徒の『内面の自由』を侵害するものであり、問題があると追及した。指導課は、教員の側は「数値評価はなじまない」としたものの、生徒・児童は「授業における自分自身の考え等の振り返り」だと言い張った。

(5)学力テストについて
➡来年度以降も、学力テストの学校別結果公表をしない事。
確認事項
来年度も公表しないことを教育委員会で確認している
➡2021年度に実施予定の『大阪府小学生力だめしテスト』(仮称)に、高槻市は参加しない判断をせよ。学力テストは授業時間を削り、児童に負担を強いり、序列や格差を生むだけで、必要ない。これについては、「まだ実施要項などが発表されていないので、詳細が発表され次第参加の是非を検討する。」という回答であったので、今後の経過を注視したい。

F・小学生のための放射線副読本について
なんと!市教委がその場で答えた回答は、事前に文書で回答をしている内容と違うものでした。どういうことか!と追及すると、「書き変えた」というのです。こんな不誠実なことがあるでしょうか。誠実な対応をせよと詰め寄り、後日文書で訂正することを約束させました。
➡2018年度は全児童に配布、今年度は新1年のみに配布予定。組合から、内容が不正確で事実と違うところもあるので、回収するよう要求した。市教委は内容が改善されていると言明したが、
確認事項
・今年度分は、まだ届いていない。配布については検討する。
・補助教材であるので、絶対使用せよというものではない。
 
G・その他