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教職員課交渉報告

2019年11月5日掲載

(2019年9月3日実施)

 昨年度に引き続き、課題の重大さ・緊急性の高い勤務時間短縮と勤務実態調査関係を重点項目として交渉を行いました。8月に市教委の担当者が代わり、段取りや対応のまずさから、しばしば交渉は滞り、こちらから対応や今までの経過について説明をしなければならないというありさまでした。要求に対する回答も、前回をなぞるだけのもので、説明や見解もなく「できていない」「予定はない」と木で鼻を括ったような全く誠意の感じられない対応でした。私たちは、それに対して強く抗議し、今後も粘り強く追及していくつもりです。重点項目について報告します。
(末 廣)
(・は要求項目、➡は市教委回答、◎は組合の見解です。)

◆C. 勤務時間短縮に伴う制度変更について
・業務削減へのプロセスの提示、そのためのプロジェクトチームの立ち上げ 
  ➡プロジェクトは進んでいない。が、進捗状況や情報は共有している。
◎全く進んでいない。市教委各課との連携がないので、他の課からは業務を増やすような指示がおりるという実態がある。8月に機構改革があったということであるが、情報の共有が進むシステムであるのか検証したい。
・昨年度(2018年度)の出退勤把握システムの集約結果で過労死ライン80時間超えの実数と実態の提示 
  ➡集約は、まだできていない。80時間超えの実態は、出せない。
 
◎超過勤務時間を把握し、勤務時間の適正化を図るためのシステムであるのに、前年度の実態を把握せずに半年経っている。また、過労死ライン80時間超えの実態も把握する気がない。これでは、「働き方改革」は進んでいかない。私たちは、平均ではなく過労死ラインに達している実数をきちんと出すべきだと強く要求した。市教委は、簡単に「出せな い」と回答したが、『実態を把握していない』『過労死ライン超えを放置している』ことは、労基法上重大な問題である。市教委のこの姿勢は、絶対に認められない。
・変形労働時間制について ➡(文科省の)動きはない。
・業務量削減基準作成について ➡ 前向きに取り組みたい。
◎昨年度市教委は、勤務時間短縮に向けての改善策として、以下を示した。
 ・一斉下校日(ノー残業デー)、ノークラブデー、閉庁日の設定
 ・会議の精選
 ・業務改善アドバイザーによる業務改善研修を実施し、各校で活かす
 ・業務改善の交流をし、広めていく
 ・業務改善ニュースの発行
◎一定の前進であったが、現場でどれくらい生かされているのであろうか?ほとんど実感がない。なぜなら、会議の精選や業務改善が進んでいないからである。そこを改善しなければ、絵に描いた餅状態。市教委は「前向きに取り組みたい」と回答したのだから示して終わりではない。
 ※10月、自動応答電話を導入する計画があると情報提供があった。
 
◆E. 休憩の保障と勤務実態調査関係.
 ・出退勤システムに休憩時間の把握が組み込まれていないことについて 
  ➡教職員の作業の簡素化、負担軽減のため変更はしない。休憩時間については、校長会で指導している。
 ◎毎回同じ回答である。いかにも私たち教職員のためにそうしているというニュアンスが感じられるが、それは市教委のごまかしである。私たちは労働時間を正確に把握し、勤務時間の適正化を求めている。それが進んでいかないから、打刻するのが面倒と思ってしまう、いや、打刻する時間もないのが実態だろう。市教委は、この本末転倒の状況を正当化せず、休憩時間の把握をきちんとすべきだ。
 ・ストレスチェックの各校における「集団分析」の活用について 
  ➡ ストレスチェックの「集団分析」の結果を活用するように校長会で指導している。

◎「集団分析」による職場の課題は、校長だけが把握しており、職員には分からない。「まずは課題を共有し、勤務実態と合わせて、職場の労働課題を解消していく。」そこまでの取り組みが見えなければ、ストレスチェックは生かされない。市教委は、校長に具体的な指示をして活用を指導すべきだ。

◆H .勤務地を離れた研修について➡ 例年と変更はない。
 ・K小学校で配布された通知「教育公務員特例法に基づく承認研修の取扱いについて」を校長には例年通知を出しているものであった。
                               以 上