学校から

「小学生のための放射線副読本」は、壮大な税金の無駄使い!

2019年05月11日掲載


 
 高槻市のN小学校では、「小学生のための放射線副読本」(平成30年9月・文部科学省)が、1月年明けに児童数で配布された。9月に副読本が市段階に降りてきた時、市教委は配布をストップしたが、再度国からプッシュがあり、市は配布する事にしたそうだ。2011年福島原発大事故の年、「放射線について考えてみよう」という副読本が文科省から配布されたが、これは当時私が在職していた学校の子ども達に届くことはなかった。しかし、今回は日本中の小学生全員がこの本を手にすることになるだろう。

 文科省初等中等教育局教育課程課による今回の改訂のポイントは、こうだ。

・章立ての見直し
 まず、放射線に関する科学的な知識を理解した上で、原発事故の状況や復興に向けた取組を学ぶ観点から、第1章で放射線に関する科学的な知識に関する内容、第2章で原発事故や復興に向けた取組等を扱う。

・避難児童生徒に対するいじめを防止する内容を抜本的に拡充
復興が進んでいる一方で避難児童生徒に対するいじめが課題になったことを踏まえ、いじめは決して許されないことについて強く言及。

・復興に向けた歩みが着実に前進していることを追記
 震災から7年が経過し、住民の帰還や避難指示の一部解除、学校の再開など、復興が着実に前進している様子を紹介


 まず、全ページ読み仮名付きであるが、「宇宙は、今からおよそ138億年前に生まれたと考えられています。」で始まる宇宙線の説明だけでも、1~3年生は十分理解できないだろう。理解できない子どもにまで配るのはなぜだろう。「天皇の玉音放送」のようなもので「とにかく大事!わからなくても事実だ!」とごり押ししているような気がする。私達が払った税金を使って、である。 (次号へ続く)    
 (長谷川)