LA SIESTA

沖縄・ひとり旅・ひとりごと(その1)

2018年2月7日掲載

 誰かと一緒に行く旅も大好きですが、ひとりで行く旅もまた楽しい(日本限定)!緊張感とハプニングと出会い。何度も訪れている沖縄ですが、ひとりで出かけるのは何年ぶりかな。
 一日目、気合を入れて家を出る。五分ほど歩いたところで切符をチェックしようと鞄に手を…あれ?ない!切符ではなく、鞄自体がない。うそやろ、しかし現実。猛スピードで帰宅し事なきを得たが、この幸先の悪さに不安がよぎる。
 飛行機は順調に飛び、那覇空港に到着。まずは腹ごしらえ。空港関係者がよく行くという空港食堂へ。これは少しミーハー的行動ですが、そこはフツーの食堂で、フツーの沖縄そばでした。手っ取り早く食べたい時(阪急そばの感覚?)は、行ってみて下さい。
 今日は、那覇市にある沖縄県立美術館に行き、そこから宿のある読谷まで行く。バスと徒歩を駆逐し、(私はスマホを持たないので)持っているわずかな知識と、聞きまくり戦術での行きあたりばったりの旅です。
 美術館は行き慣れているので、まずは落ち着いて出発。おもろまち駅でコインロッカーに荷物を預けようとするが、駅員さんは「400円かかるからもったいない」と言う。仕方なくザックを担いで行く。おっと、その前に読谷行のバスをチェック。2時間に1本、OK!
 美術館は開館10周年で「彷徨の海・邂逅の海」展示をしていた。見学し終わって、読谷行のバス停を聞くが、よく分からない。予想通りだ…。ほとんどが車移動で、バスを使わない人が多いから。自分の勘に頼るしかない。頭にバス路線を思い浮かべ、バス停を決める。何しろ2時間に1本なのでこれを逃したら、あ~考えたくない。バス待ち人4人。20分ほど待って来たバスに3人が乗った。私、一人残った。不安になり、バス会社に電話してみる。「30分ほど遅れている」そうだ。大丈夫か…「待ってたら、く・る・ん・で・す・ね!!」と念を押す。「まだ通過してませんから、来まーす」と軽く言われ、とにかく待つしかない。結局30分ほど待って、やっと来た。しかし、国道58号線は大渋滞。2時間かけて読谷バスターミナルに到着。もう真っ暗だ。飛行機なら大阪まで帰ってる! 路線バスとはこんなこともあると百も承知で、それも楽しむをモットーとしていたが、今回は楽しみ過ぎだ。  




 宿につきホッとする。オーナーのてぃあんだーな夕食は、泡盛と共におなかと心にしみた。オーナーと話をしながら居心地のよい時間を過ごした。お風呂からあがってテラスに出ると、空は満天の星。オリオン座に手が届きそうだ。その時、星空を割いてかなり低空で何か飛んできた。えっ、オスプレイ!?こんな時間に?不審な思いを持ちながらベッドに入り、長い一日が終わった。
 次の日、昨夜の飛行体のことを尋ねると、やはりオスプレイだった。普天間基地と伊江島間のルートになっていて、毎晩飛ぶそうだ。何度も事故を起こしながら、当たり前のように飛ぶオスプレイに沖縄の現実をみる。
(末廣 淑子)