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2017年度教職員課要求書

2017年7月1日掲載

要  求  書 
2017年6月 日

高槻市長   濱田 剛史 様
高槻市教育委員会
 教育委員長 深堀 基子 様 
 教育長   一瀬 武  様
学校労働者ネットワーク・高槻
                        

執行委員長  松岡  勲 

 5月23日に開催した学校労働者ネットワーク・高槻第19回定期大会の決定に基づき、労働条件に関わる以下の要求書を提出し交渉を申し入れます。要求内容の検討をよろしくお願いします。

A.地方公務員法55条(交渉)に基づき、誠意と責任を持って交渉を履行されたい。 
B.病欠者の実態
 2016年度の市内在職者の疾病による病欠・休職・退職、及びそのうちの精神疾患(精神疲労)に伴う病欠・休職・退職の実態をどのように分析し、改善されようとするのか明らかにされたい。 
C.勤務時間短縮に伴う制度変更について
(1)市教委は、時短を実現するために学校の業務量削減のプロセスを示すと共に、その行程作成のためのプロジェクトチームを、市教委各課を広く横断する形で立ち上げられよ。

①出退勤把握システムが2016年11月1日から全小中学校で実施されている。同システムは、各職場で良好に進行しているのか。2月の対市交渉時、「5月連休明けに、同システムの集約をするので、その結果を見て、今後の方向を考えて行きたい」との回答であったが、集約結果と、今後の展望を示されよ。

②労働時間とは、「労働者が使用者の指揮・命令の下に置かれている時間」であり、使用者の明確な指示の下で働いている時間は勿論のこと、仕事に付随する業務や仕事を行うのに必要となる準備時間や後片付け、着替えなどにかかる時間も労働時間に当たる(府下で過労死に至る残業時間把握など公務災害認定された労働時間を参照されたい)。出退勤把握システムの実施にあたり、使用者である校長および市教委は労働時間の把握をどうしているのか明らかにされたい。また、出退勤把握システムにおける労働時間の把握と給特法の超勤「限定4項目」との関係を明らかにされたい。
③同システムは、適正な勤務時間へ向けての一歩ではあるが、相変わらず休憩時間が含まれていない。休憩時間は取得できているという前提での不完全なものである。取得できなかった休憩時間を超過勤務として算定するシステムに改良されよ。

④同実施を受けて、今後どうしたら時短ができるのか、どんな業務を削減するのか、超勤があればどんな手だてをしていくのか等、時短制度の遵守に向けて具体的な方向性を示されよ。
 
(2)市教委は学校内の業務削減に向けて、業務削減基準を作られよ。

D.再雇用制度及び高齢者部分休業制度について
(1)再任用職員及び高齢者部分休業取得者の配置について
①今年度(2017年度)の学校別・勤務時間別の配置実態を明らかにされたい。また、各々の業務内容を明らかにされたい。

(2)再任用職員の配置については、再任用希望者(新規・更新)の意向や希望を正確に把握されたい。  

再任用希望者(新規・更新)への、市独自の「意向調査」内容を充実させるとともに、校長へのヒヤリングにおいては、より正確にきめ細やかに聞き取りされたい。
再任用希望者(新規・更新)の意向に基づき、在任校と配置校の校長間のすり合わせがなされるよう、指導されよ。

(3)再任用短時間勤務職員は、「再任用制度について」(平成26年10月1日)
において、「4職務内容等」の項に『短時間勤務職員は担任等の常勤を前提とし
た業務は担えない』と明記されており、2014年度の定期交渉で確認された。

今年度も、「担任はできない」ことを、校長に指導されよ。
昨年度の定期交渉(2017年1・31)で、今年度(2017年度)は望ましくない実態を「0にする」と明言されたが、結果を伺いたい。

E.休憩の保障と勤務実態調査関係
(1)2016年度の産業医の健康相談の実績データーを示されたい。市教委は、健康相談が少ない原因をどのように把握しているか答えられたい。また、職員の健康維持のために早急に面接指導の体制を確立されたい。

(2)昨年度ストレスチェック制度が実施されたが、その実施によって職員の健康面はどう改善されたか。また今後はパワーハラスメント防止との関係を明確に位置づけられたい。

(3)労働安全衛生法改正後、一度はその実施を約束しながら、その約束を破り、市教委は労働安全衛生組織を設置していない。これは労働安全衛生法違反であり、早急に労働安全衛生組織を確立されたい。

F.評価育成システムに関して
(1)評価育成システムは、教職員の自主性やモチベーションを下げ、ひとを育てるべき教育に悪影響を及ぼす。また授業アンケートは、高槻市保護条例・学習指導要領(中学校)にも違反している。評価育成システムに断固反対する。

(2)昨年度の自己申告票提出数と提出率、および開示面談の実施数と実施率を明らかにするとともに、「平成28年度(2016年度)評価育成システム実施状況報告」の情報提供を速やかにされた。

(3)保護者アンケート改悪について
  前回交渉で市教委は、「評価育成システムは、大阪府教育委員会が決めた制度であり、授業アンケートについては府委員会の「評価・育成者研修」で説明されている。」と回答した。しかし、同アンケートによって、どのように勤務評価が変わるか、学校現場では依然鮮明になっていない。賃金に関わる事由であるにも関わらず充分な説明がなされていない状態は、地公法55条の違反である。
 ・保護者アンケート改悪について、組合及び校長会で明確な説明をされよ。
・教員個人の情報管理の責任が誰にあるのかはっきりさせること。
・評価分布の分析をされよ。
(4)評価は、勤務時間内の事由のみであることを確認されよ。
(5)「評価・育成システム」に関わって問題が生じた場合、随時、組合との協議をすること。

G.宿泊を伴う学校行事に関わる勤務時間の割り振りについて
(1)2016年2月1日の教職員課等交渉において、「宿泊を伴う学校行事の引率を行う職員の勤務時間の割振り」の調査資料が提供されたが、調査結果が不十分なまま何の改善もされていない。
(休憩時間について)

休憩時間の明示は書面で出さなければならないことを校長に指示し、各校の明示方法を確認すること。
休憩時間の明示内容を把握し、どの時間に当てたのか明らかにすること。
休憩時間の取得状況を把握すること。取得できなかった場合の措置についても把握すること。

(勤務時間の割振りについて)

別の勤務日への割振り変更の取得状況を確認すること。

(2)今年度も「勤務時間の割振りに関する実態調査」を実施し、労基法違反の勤務
実態がないか精査すること。
(3)児童生徒の安全確保を第一に、労働基準法に基づく適法な休憩時間を付与する
ために交代勤務が可能な引率人員の増員をはかること。市教委として何ができると考えるか答えられたい。

H.勤務地を離れた研修について
 教育公務員特例法22条2項の「勤務場所を離れた研修」について、長期休業中において今後も変更がないことを確認されたい。また、それ以外においても変更がないことを確認されたい。

I.その他

以 上