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教職員課交渉報告 超過勤務の解消を求めて

2017年5月3日掲載

1月31日午後6時~12F教育委員会室

 今回、高槻市教委は不充分ながら「出退勤把握システム」と「スト レステスト」を導入しましたので、より完全な超過勤務解消のための制度を構築させるべく団体交渉に取り組みました。交渉の重点項目を中 心に報告します。

A.地方公務員法55条(交渉)に基づき、誠意と責任を持って交渉を履行されたい。(確認)

B.勤務時間短縮に伴う制度変更について
(1)市教委は、時短制度の遵守、追求のため学校の業務を削減する行程を作るプロジェクトチームを、市教委各課を広く横断する形で立ち上げられよ。この取り組みがどこまで進んでいるのか、進捗状況を述べられよ。

(2)市教委は学校内の業務削減に向けて、業務削減基準を作られよ。

(3)殆どの教職員にパソコンが貸与された。しかし現場では業務量削減は一切行われておらず、情報を学校外に持ちだすことができないため、教員を学校に遅くまで縛りつける結果になっている。また、11月1日から全市で施行された出退勤記録は、府のように持ち帰り仕事時間を記録出来ない。更に、同府下、吹田市のように休憩時間を記録することができない、不完全な記録表である。早急に、正しく時間外業務時間が表せるように、記録表を改善されよ。

→高槻市教委は、組合が要求してきた「業務削減のプロジェクトチーム」の立ち上げ及び「業務削減基準」の作成を未だ進めていません。国が「電通」の超過勤務による自殺を契機に、過労死問題・超過勤務解消の取り組みを進めてきた事に比べて、高槻市教委の取り組みが遅れていることを追及しました。
 その中でM小学校での「恒常化する超過勤務 学年会は5時から」(資料)を提示し、超過勤務の実態とその解消の必要を訴えました。
 昨年11月より実施されたパソコンによる「出退勤把握システム」は休憩時間の取得の記録はせず、持ち帰り仕事の記録もできない不充分なものであり、改善を要求しました。また、出退勤把握システムの実施の結果、超過勤務が出た場合、超過勤務の解消の方向について市教委はどのような方策を考えているかの質問に対して、5月の連休あけに集約をするので、その結果を見て、今後の方向を考えて行きたいとの回答でありました。集約結果が出た後の交渉が重要であると考えます。

C.再雇用制度について
(1)③一昨年度(2014年度)から、市独自のヒヤリング資料を作成し、校長のヒヤリングを詳しいものにされた。ただ、一部にヒヤリングが実施されなかった職員もいると聞く。さらにその充実を図られたい。また、再任用希望者(新規・更新)の意向に基づき、校長間のていねいなすり合わせがなされるよう、指導されよ。

→昨年度末の人事異動の際、N組合員は通勤2時間強の転勤となり組合交渉でこの異動の問題を追及してきました。その後、転勤先の校長交渉で来年度の移動での善処を要求し、その旨を校長も了承した。今回の交渉で教職員課長は「理解した」と回答。年度末の異動を注視していきます。

 ⑤再任用短時間勤務職員の担任配置について
再任用短時間勤務職員は、「再任用制度について」(平成26年10月1日付)において、「4職務内容等」の項に『短時間勤務職員は担任等の
常勤を前提とした業務は担えない』と明記されており、一昨年度(2014年度)の定期交渉で確認された。しかし、今年度(2016年度)も3組の担任配置の実態があった。「担任はできない」ことを校長に指導し、来年度(2017年度)は、今年度の望ましくない状態を是正すること。
 
→今年度未だ3組の担任配置の実態があった。組合はぜロにするように要求し、市教委は「ゼロにする」と約束。

D.病欠者の実態
 2016年度の市内在職者の疾病による病欠・休職・退職、及びそのうちの精神疾患(精神疲労)に伴う病欠・休職・退職の実態を明らかにされたい。また、管理職・首席教諭の希望降格者数、正式採用されなかった新任教員数も明らかにされたい。

→(口頭回答。新年度に最終結果の提示を約束。)昨年度希望降任が3人・・校長1名、主席・指導教諭2名という実態が分かりました。

E.労働安全衛生法の実施及び休憩の保障と勤務実態調査関係
(1)2016年度の産業医健康相談の実績データーを示されたい。市教委は健康相談が少ない原因をどう把握しているか答えられたい。また、職員の健康維持のために早急に面接指導の体制を確立されたい。

(2)2016年8月10日の交渉時「予算化した」と確認されたストレスチェック制度を今年度中に実施されたい。またストレスチェック制度の実施にあたっては、パワーハラスメント防止との関係を明確に位置づけされたい。

(3)労働安全衛生法改正後、一度はその実施を約束しながら、その約束を破り、市教委は労働安全衛生組織を設置していない。これは労働安全衛生法違反であり、早急に労働安全衛生組織を確立されたい。

→昨年度の産業医健康相談の実績は4月~9月まで2名のみでした。希望者はあったが、キャンセルがあったとのこと。健康相談を受けにくい実態があるのではないかと思われた。ストレスチェックについては市教委の方が積極的に実施を決めたことであり、評価できると組合を考えます。しかし、ストレスチェックをパワーハラスメント防止とも関連させて取り組むよう組合は提起してきたが、市教委は「最初なので、現状では入れてない」と回答。今後実施されるなかでこの課題と結びつけて取り組む必要があると考えます。過去に市教委が反古にした労働安全組織の確立については、現在ますます必要となっているので、再度実施の道を開くよう要求しました。
(松 岡)