学労ネット

2016年対市予算交渉要求書

2016年1月6日掲載

2015年11月27日
高槻市長   濱田 剛史 様
高槻市教育委員会
 教育委員長 中村 公美子 様
 教育長   一瀬   武 様
学校労働者ネットワーク・高槻

 2016年度の教育予算に関わる要求事項とともに、労働条件に関わる要求事項を提出し、市教委交渉を申し入れますので、よろしく要求内容の御検討をお願いします。


A.地方公務員法55条(交渉)に基づき、誠意と責任を持って交渉を履行されたい。


B.勤務時間短縮に伴う制度変更について
(1)市教委は、時短制度の遵守、追求のため学校の業務を削減する行程を作るプロジェクトチームを市教委各課を広く横断する形で立ち上げられよ。この取り組みがどこまで進んでいるのか、進捗状況を述べられよ。

(2)市教委は学校内の業務削減に向けて、業務削減基準を作られよ。

(3)殆どの教職員にパソコンが貸与された。しかし、現場では業務量削減は一切行われていないと断言できる。勤務実態把握について、市教委が7月6日の交渉で試行実施 すると言った11月になったが、具体的な話はおりてこない。一体どうなっているのか 進捗状況を述べられよ。また、PCでの出退勤入力において、休憩時間が入力できるよう引き続き要求する。



C.再雇用制度について
(1)再任用制度について2015年2月2日の交渉で確認された以下の点について再確認されたい。
  ①非勤務日に行事等が行われた場合は、再任用職員には出勤の義務がないことを所属職員に周知徹底し、再任用職員が職場の同僚に気兼ねしないですむよう「適切な配慮」のもとに学校運営をするよう管理職を指導すること。
  ②非勤務日に再任用職員が勤務せざるを得ず、振替が授業時間にかかる場合は、充分な補充体制をとるよう管理職を指導すること。
  ③非勤務日に勤務して、「公務災害」に該当する事由が惹起した場合、身分上通常の職員と同じ扱いである事を確認すること。
  ④再任用短時間勤務職員が「介護休暇」や「病気休暇(休職)」を取得する場合、身分上通常の職員と同扱いである事を確認すること。
⑤「週23時間15分勤務を希望する再任用職員は、原則3日間勤務である。4日間勤務については、本人の了解が大前提であり、強制はない。」ことを校長に指導し、文書としても提示すること。

(2)再任用制度のルール作りについて
 ①再任用職員の配置において、現場への不都合や混乱を招くことがないよう、再任用募の希望調査にあたっては、新規・更新全ての再任用希望者の意向・希望を正確に把握する事。
ア.希望する勤務時間・勤務曜日に関する調査
イ.希望する学校名(現任校での任用希望の有無)に関する調査
ウ.今後取り組みたい職務内容、具体的な教育実践内容
エ.希望調査にあたっては、再任用職員の職務内容に「初任者指導担当」が追加されたことに伴いすべての職務内容を事前に周知すること。
 
 ②勤務時間・勤務曜日・勤務場所・職務内容に関しては本人の希望を最大限尊重すること。とりわけ短時間勤務再任用職員が希望する週あたりの勤務日数や勤務曜日、勤務場所については、本人の希望を最大限尊重すること。
 ③昨年度(2014年度)から、市独自のヒヤリング資料を作成し、校長のヒヤリングを詳しいものにされた。さらにその充実を図られたい。また、再任用希望者(新規・更新)の意向に基づき、校長間のていねいなすり合わせがなされるよう、指導されよ。
 ④高齢者部分休業者の休業部分代替を、希望に基づき3日間(23時間15分)勤務の再任用職員で充当するよう府に働きかけられたい。
 ⑤再任用短時間勤務職員の担任配置について
再任用短時間勤務職員は、「再任用制度について」(平成26年10月1日付)において、「4職務内容等」の項に『短時間勤務職員は担任等の常勤を前提とした業務は担えない』と明記されており、昨年度(2014年度)の定期交渉で確認された。しかし、今年度(2015年度)も10組の担任配置の実態があった。「担任はできない」ことを校長に指導し、来年度(2016年度)は、今年度の望ましくない状態を是正すること。
 ⑥2015年度の人事日程の情報を提供されたい。

(3)再任用職員の個別の問題については組合と協議すること。



D.病欠者の実態
  2015年度の市内在職者の疾病による病欠・休職・退職、及びそのうちの精神疾患(精神疲労)に伴う病欠・休職・退職の実態を明らかにされたい。また、管理職・首席教諭の希望降格者数、正式採用されなかった新任教員数も明らかにされたい。



E.労働安全衛生法の実施及び休憩の保障と勤務実態調査関係
(1)2015年度の産業医の健康相談の実績データーを示されたい。また、職員の健康維持のために早急に面接指導の体制を確立されたい。

(2)各職場で休憩時間がどの程度取得されていると市教委は把握しているのか。休憩時間取得実態調査を含め、教職員の超過勤務実態を明らかにするために、全学校の超過勤務実態調査を実施されたい。

(3)労働安全衛生法改正後、一度はその実施を約束しながら、その約束を破り、市教委は労働安全衛生組織を設置していない。これは労働安全衛生法違反であり、早急に労働安全衛生組織を確立されたい。



F.評価・育成システム関係
(1)評価育成システムは、教職員の自主性やモチベーションを下げ、ひとを育てるべき教育に悪影響を及ぼす。また授業アンケートは、高槻市保護条例・学習指導要領(中学校)にも違反している。評価育成システムに断固反対する。

(2)保護者アンケート改悪について
 前回交渉時に、保護者アンケート改悪についての説明を聞いたが、実際同アンケートによってどのように勤務評価が変わるか、各学校で鮮明になっていない実態がある。賃金に関わる事由であるにも関わらず、不鮮明に処理されることは違法である。市教委は、各学校で改悪について明確な説明をされよ。
(3)評価は、勤務時間内の事由のみであることを確認されよ。

(4)評価育成システムに関わって問題が生じた場合、随時組合と協議をすること。



G.勤務場所を離れた研修について
教育公務員特例法22条2項の「勤務場所を離れた研修」について、長期休業中において今後も変更がないことを確認 されたい。また、それ以外においても変更がないことを確認されたい。

H.週休日服務の振替に関して
  2004年度大阪府「週休日における教職員の教育活動等に係る服務の取扱いについて」の通知の運用については、昨年度2015年2月2日の交渉の場で確認された、以下の(1)~(6)までの再確認をされたい。
(1)業務の拡大につながらないこと。
(2)一方的に命じるものではなく、参加者の同意が必要であること。
(3)「週休日に行われた教育活動等」については、別の日に振り替えられねばならないこと。
(4)「週休日における教育活動等に係る実施報告書」の作成・管理の徹底をはかり、事前に振替日程の設定が確実に為されること。
(5)対象となるのは教職員(講師も含む)であり、特嘱職員も含めて、この制度を管理職に都合良く利用させてはならないこと。
(6)これに関わる服務が週休日(非勤務日)においてである以上、「評価・育成システム」の「評価」対象ではなく、システムとは無関係であること。



I.宿泊を伴う学校行事に関わる勤務時間の割り振りについて
  今までの交渉の場('15.2.2)で確認された、以下の(1)~(10)までの再確認をされたい。また検討課題として残された(11)~(12)について回答願いたい。
(1)宿泊を伴う学校行事に関わる勤務時間の割り振りは、規則に基づいたものであり、事前に校長が教職員にその旨周知させ、教職員の意向を汲みながら校長から割り振りをおこなうものであること。
(2)1泊2日の宿泊行事の「勤務の割振り変更」は、1日の「勤務を要しない日」と1回の「半日勤務日」とする(合計は1.5日)。さらに場合によっては2日の「勤務を要しない日」の割振り変更もあるという事であったが、今後も変更がないこと。
(3)2004年6月10日交渉時、「労基法により休憩時間の翌日繰り越しはできない。」と回答された。それにつき休憩時間が翌日に繰り越さないよう、各職員に宿泊行事中に休憩時間の割り振りをし、休憩時間を取らせる義務を履行するように校長を指導すること。
(4)2005年度9月から割り振り期間が後8週から16週までと変更された。過重労働から来る心身保護のための回復措置であり、本来なら当たり前の最低8週目までに取れるよう校長を指導する事。
(5)宿泊行事の深夜の仮眠時間について
   休憩時間や勤務時間が割振られていない時間については拘束時間外であり、当然職員が自由に利用できるものである。仮眠時間を自由裁量で過ごしてよい。(2008年1月31日交渉時の確認)
(6)勤務を解く時刻を、実態に応じて明確にすること。
 また勤務を解いた後は、管理職の責任において宿泊行事を遂行すること。
(7)(3)(6)に関しては、校長が義務を履行したか、市教委が事後に点検・確認をし、教職員の健康維持の徹底を図ること。
(8)正規の勤務時間以外において急遽勤務した場合に夜間勤務手当は支給されないが、児童・生徒の負傷、疾病等に伴う救急の業務で正規の勤務時間以外に3時間以上従事した場合には、教員特殊業務手当(3時間以上6時間未満3.000円、6時間以上6,000円)の支給対象になることを校長及び各学校に対して周知すること。
(9)妊産婦(妊娠中の女性又は出産後1年を経過しない女性)および就学前の子どもの育児を行っている職員、家族の介護を行っている職員については、労基法第66条(時間外労働、深夜労働、変形労働時間制の適用を原則禁止)に抵触することなく、育児・介護休業法、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下、給特法という。)第7条の趣旨に基づき、宿泊を伴う引率業務を命じないことを原則にして運用するよう校長および各学校に対して周知するとともに指導すること。ただし、本人が希望する場合は、個別の事情に十分配慮して宿泊行事への参加を判断すること。
(10)夜間勤務手当(午後10時から翌日午前5時までの正規の勤務に対して1時間につき時間単価の125%を支給する)は勤務が15時間30分を超えると支給されない。実勤務が15時間30分を超ないよう校長を指導すること。
(11)数年来「検討する」と回答しながら未着手のままの「勤務時間の割振りに関する実態調査」を、今年度は速やかに実施し、労基法違反の勤務実態がないか精査すること。
*2015年7月6日の交渉時回答された、「各校の休憩時間の明示状況を確認し、結果を行事終了後組合に資料提供する」ことを守られよ。

(調査項目)
①休憩時間の明示の有無および取得状況。
②勤務時間の割振り(休憩時間を含む)。
③別の勤務日への割振り変更(勤務を要しない日などの扱い)。
④週休日の代休措置。
⑤夜間勤務手当の請求時間数。
(12)児童生徒の安全確保を第一に、労働基準法に基づく適法な休憩時間を付与するために交代勤務が可能な引率人員の増員をはかること。
この課題について市教委は2014年2月4日交渉時「何ができるかを考える」と回答した。具体的な提案をされたい。



J.学校警備員の昼休憩問題について
学校警備員配置に対する2016年度の方針を明らかにされたい。



K.夏期休業中の勤務について
  教職員の夏期休業中の勤務については、従来からの市教委回答「格段の理由が無く勤  務を強制すべきものではない。また、『日直・宿直』の復活ではない。」を再確認さ  れたい。



L.学校環境衛生について
高槻市内の教育関係諸施設において、安全な環境が整えられているのか、次の点についてデータ等を示して明らかにされたい。
(1)校舎等の耐震化について
2015年度に校舎の耐震改修がなされた学校名。また、予定通り今年度で、市内全校の耐震改修工事が完了したのか。

(2)校舎の老朽化への対応策について
  ①2015年度に校舎の老朽化対策がなされた学校名と、2016年度の計画。
  ②第三者機関の診断結果の公表と、それに基づく対応策。

(3)理科室、少人数授業教室、家庭科室等の特別教室に、エアコンを早急に設置されたい。

(4)夏休み5日間の水泳指導日が設定され、入水日が増加した。子どもの健康を鑑み、プール給水を2回に戻されよ。

(5)回収された実験用セラミック金網について
①総務課は、4年前に回収された実験用セラミック付き金網(以下金網)のアスベスト含有率、その該当校、その他の学校の金網の処分について、全小中学校と保護者に情報公開されよ。
②ナリカ製金網(岩手小8枚)には、トレモライトが17%、ケネス製金網(6校該当90枚)には、トレモライトが20%弱、それぞれ含まれていた。これはJIS規格の0.1%未満を大きく上回る。2007年に大阪府立高校の化学担当の男性教諭が中皮腫で死亡している。理科実験で使用したアスベストとの関連が認められるとして、地方公務員災害補償基金大阪府支部審査会が昨年2014年1月に校務災害として認定していたことが報道された。(2014年3月18日付朝日新聞夕刊)この教諭が実験にアスベストを使用した期間は1978年~84年。アスベストが、29年を経て教諭を死に至らしめたことになる。高槻市の中学校の理科担当教諭は、長年アスベストが付着した金網を使ってきた。その後、全国でアスベスト被害の事件は後をたたない。 市教委はトレモライト含有における健康被害の可能性を即調査されよ。



M.休養室関係
(1)職員の健康を守るため、「休養室」に早急にエアコンを設置すること。
(2)更衣室(男女別)を設置すること。又、設置状況を明らかにすること。
   ・男女別完全別室        ―(  )校
   ・休養室と兼用         ―(  )校
   ・ロッカーで区切られているだけ ―(  )校



N.組合事務所
  組合結成以来、長年に亘り組合事務所の貸与を求めてきたが、未だ具体的措置がない。他組合同様に組合事務所を至急貸与されたい。
  この市教委の対応は組合差別と考える。

O.その他
以 上