学労ネット

理不尽の一言!校長交渉報告(授業アンケート)

2013年2月17日掲載

 教員の「授業力」を新たな教員評価の基準として導入し、そのために生徒や保護者に「授業アンケート」を行うという通知が府から下ろされてきました。 私たちは、多くの問題点を含んだ「授業アンケート」撤回を要求し、12年11月27日に南冠小、12月4日に寿栄小、同11日に奥坂小で校長交渉を行いました。どの交渉でも共通しているのは、アンケートへの管理職の困惑でした。一体こんなもので教員を育成できるのでしょうか?教員にはストレス。管理職は超勤。本当にロクなものではないし、将来、このアンケートを使って教員を縛る管理職も出てくるでしょう。学労ネットは廃止されるまで反対していきます。

高槻市立○○小学校長 

2012年11月20日
学校労働者ネットワーク・高槻
執行委員長 松 岡   勲

要 求 書

 大阪府教育委員会は、2012年9月、府立学校長と市町村教育委員会に対し、「『教職員の評価・育成システム』にかかわる授業アンケ−ト等の実施について(通知)」を発出した。その内容は、教員の「授業力」を新たな教員評価の基準として導入し、そのために生徒や保護者に「授業アンケ−ト」 をおこなう。そして、その結果をもとに学校長が、「授業観察」などを行い、「SS」「S」「A」「B」「C」の5段階に教員をランクづけし、「教員評価」を行い、賃金に反映させるというものである。大阪府教育委員会は、2013年4月から「教職員の評価・育成システム」の改定、「授業評価システム」を本格的に実施し、今年度は「授業アンケ−ト」などを試験的に実施するとしている。
 今回の「授業アンケ−ト」は、生徒や保護者にむりやり教員の授業を観点別に4段階にランクづけさせようとしている。また、授業をした教員本人は、生徒や保護者が記入した「授業アンケ−ト」用紙を見ることはできない。さらに、校長がその結果を集約し、教員の「授業力」を5段階でランクづけするとしている。これは、児童・保護者と教員の信頼関係を根底からくずすことになる。このような「授業評価システム」が本格的に導入されれば、児童・保護者と教員の信頼関係が壊れ、指導が大変な学年・学級を受け持つことを避けようとする傾向が強まり、教職員相互の協力関係が弱まる。これでは、子どもたちの教育を保障することはできない。
以上、「教職員の評価・育成システム」の改定にかかわる「授業評価システム」の実施をしないよう、教育委員会に申し入れるよう要求する。

以   上



南大冠小学校 交渉報告
2012.11.27

 校長は「法的に決まっているから」「府に準ずるから」と、実施する理由を述べた。しかし、校長は「(このアンケートで)教員の授業力を高めるだけではなく、賃金にも関わってくるところは、ややこしく、つらいところ」「(本来は問題があれば、その保護者と対面して話し合うべき、に対し)気持ちはわかる」など、多くの悩ましい問題をかかえていることをうかがわせた。組合としては「撤回」を要求すること伝え、今年度の試行実施後、問題点を市教委に申し入れるよう強く要求した。(末廣)
以下、主な要求事項等(→以降は校長の回答)
・自由記述欄の削除
→今年度試行して、問題があれば校長会や市教委に言う
・アンケート実施にあたっての作業はだれがするのか
→管理職がする(担任は配布)
・保護者からの質問等はだれが対応するのか
→管理職が対応する



寿栄小校長交渉
2012・12・4

「基本的に職員を守る立場に立つ」と確認

 寿栄小の校長交渉では、授業アンケートについて「自由記述」等で職員に不利益にならないようにという組合の要求に対して、校長は「基本的には職員を守る立場を取る」と約束した。また、自由記述・講師が対象、支援学級担任の扱い等に問題点があれば、「施行後に改善を市教委に要望する」と確認した。ただ、職員会議に授業アンケート実施を提案する前に、授業アンケートの資料を組合に提供するようにとの要望については、提供しないという不誠実さがあった。別件の卒・入学式のピアノ伴奏等の強制反対の要求については、「強制はなじまない」という確認をしたが、その後、校長が推進会議・職員会議で「ピアノ伴奏」の要請をするという事態があった。交渉中、校長の態度には、終始ビリビリとした防御の姿勢が感じられ、市教委が校長をかなり辛い立場に追い込んでいるという感想を持った。    (松岡)



奥坂小校長交渉
2012・12・11

「自分の目で見ることを大事にしたい」

 授業アンケート撤回について「実施については難しいと校長会で話しあいましたが、配布はします」と校長は答弁。自由記述欄についてどんな問題が想定されるかとの問いに「授業アンケートとはちがう中身(問題)があるかと思う。書かれた内容について、教員本人に確かめることはあるだろう」と答弁。さらに「(アンケート)は、評価するひとつの資料。評価を左右するような資料ではない。自分の目で教員の授業を見ることを大事にしたい」「言うほどべったりではない、校長はみんな思いを持っている」と弁明。「講師はアンケート対象にしない」について、アンケートに名前を出さない方が混乱を招くと反論したが、「講師は1年ずつの採用となり、翌年に反映する評価は無意味。講師のアンケート結果は目的外使用に当たり法に触れる」との組合の追求に、「講師のデータは抹消します。正直言って、板挟みです」と答弁した。アンケートに府・市教委はいっさい名前を出さない。校長が発行責任者となる。「責任者が校長で気の毒ですね」と言うと、「そう言ってもらってうれしい」と、防御一本槍だった校長がホンネをもらした。
(長谷川)