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文科省副読本「放射線について考えてみよう」の配布を行わないよう要求する

2012年2月28日掲載

 2月21日の組合と高槻市教育委員会指導課との交渉で文科省副読本「放射線について考えてみよう」について以下のような要求をしました。

「文科省副読本『放射線について考えてみよう』は、児童生徒に、原子力発電について事実と反した根拠などから安易な安心を与えるもので、問題が大きい。またこの副読本の是非についてさまざまな意見が出されている。児童生徒に配布、使用しないこと。」

 この副読本の作成は、「原発安全神話」副読本である小学生版「わくわく原子力ランド」、中学生版「チャレンジ!原子力ワールド」を編集作成した「日本原子力文化振興財団」という電力業界関連団体=「原子力ムラ」の団体が受託し、「原子力ムラ」の学者(御用学者で有名な中村尚司東北大学名誉教授が編集作成委員長)によってつくられているのです。電力会社や政府が自分たちに対する責任追及を逃れ、エネルギー政策転換の声を抑え込むという目的のために、新たな「放射線安全神話」を撒き散らすためにこの副読本をつくったのです。国民に被曝を甘受させるための副読本と言っても過言ではありません。私たちは、この文科省副読本の配布や使用を許さず、原発事故と放射能汚染の実態を学ぶための正しい教育が必要と考えています。

 交渉で判明した指導課の対応は次の通りでした。
「すでに小学校5、6年と中学校1、2、3年の全員分の放射線副読本を文科省に注文した。(まだ到着していない。)配布については検討中。」

 お隣の吹田市では、放射線副読本を文科省に注文したが、(注文の取り消しはできないので)「学校保管として、子どもの配布は行わない。」と適切な対応をしていると聞いています。

 交渉では、検討結果が出たら、組合にその内容を知らせることを求めましたが、なぜか有馬均指導課長は返答せず、交渉を市教委側から決裂させ、退席するという暴挙に出ました。交渉決裂後、組合として市教委に強く抗議をしました。

 以上のような経過ですので、みなさんから「問題のある放射線副読本の子どもへの配布は行わないように」との要請を高槻市教育委員会へ寄せていただけますようにお願い申し上げます。

<要請先>
高槻市教育委員会教育長 一瀬(いちのせ)武
TEL 072−674―7601
FAX 072−674−7641

高槻市教育委員会指導課長 有馬 均
TEL 072−674―7631
FAX 072−674−7032
E-Mail: ksidou@city.takatsuki.osaka.jp