学労ネット

市教委交渉報告

2011年3月13日掲載

(教職員課交渉)                      

今回の交渉は、『B.勤務時間短縮に伴う制度変更について』を重点課題とした。「時短問題」については、12月に全学労組代表・大阪教育合同吹田支部の増田賢治さんを講師に招き、吹田の取り組みを中心に、労働時間適正化への道筋等を詳しく教えて頂いた。今回の交渉で、吹田市教委・豊中市教委の取り組みの文書を情報提供として市教委に手交した。増田さんにも特別執行委員として交渉に同席して頂いた。なんと心強かったことか!その結果、まだ何の方針も持っていない市教委から『4月に入って、退勤調査の集計結果データをもとにし、超勤解消に向けての対応を含めて、組合と協議する』という確認が取れた。
以下、重点課題を中心に報告しています。番号は要求書のものです。→→が確認事項です。

B.勤務時間短縮に伴う制度変更について
(1)今年10月1日から、勤務時間の割り振りが変更され、勤務終了が15分早まった。しかし、職員室は10月1日以前と全く変わらず、残業をする教員であふれている。教育委員会は、この点を具体的にどのくらい把握しているのか。
  →→今年度も退勤調査を行い、その結果を年度内に集計する。退勤調査の集計結果データをもとにして、各課との調整を始めたい。4月に入って、同データをもとにして、超勤解消に向けての対応を含め、組合と協議する。
(2)労働時間の真の適正化にむけて
  ①市教委は、超過勤務が日常化している原因・課題を分析すること。
  ②労働時間適正化の基準を明確にすること。
  ③適正化に向けて、市教委が取り組むべき内容、学校が取り組むべき内容、それぞれを明らかにすること。
  →→重大な課題ととらえている。具体的対策が必要と認識している。
(3)非正規職員がやむを得ず時間外勤務をしなければならない時、校長等が、定期的に個々の職員の業務の状況を確認する場を設けるなど、時間外勤務の管理徹底をするよう、校長を指導されたい。
→→今後とも指導していく。教頭(=衛生推進者)研修でも指導した。
C.再雇用制度及び高齢者部分休業について
 ◆「再任用制度」について
(1)評価・育成システム
  ①自己申告票の作成、提出をしなかった場合は、翌年度の任期更新はどうなるのか。
  →→申請書に「評価」を記入する欄があるかどうか確認して返事をする
②(前略)非常勤職員などの有期雇用職員は、賃金に反映できないのでシステムの対象外とした。同様に再任用職員を「システム」の対象から除外するよう府教委へ具申すること。
  →→制度上の矛盾があることを、府になんらかの形で伝える
(4)その他の事項
  ②24時間勤務の再任用職員が学校に1名しか配置されない場合は、原則「定数外」として別途定数管理するよう府教委へ要望すること。
  →→今後も協議していく
E.労働安全衛生法の実施及び休憩の保障と勤務実態調査関係
(1)2008年7月より産業医が設置されたが、昨年度は6名しか健康相談がなく、いまだ面接希望者が継続的に出ていない。市教委は健康相談が少ない原因をどのように把握しているか答えられたい。また、職員の健康維持のために早急に面接指導体制を確立されたい。
→→もっと活用できるよう、校長会で啓発していく
(3)労働安全衛生法改正後、いまだ労働安全衛生組織が設置されていない。この事は労働安全衛生法違反である。改正労働安全衛生法への対応のため、早急に労働安全衛生組織を確立されたい。
 →→労働安全組織の確立に向けて、来年度の予算要求について考える
J.学校警備員の昼休憩問題について 
(2)学校警備員配置に対する2011年度の方針を明らかにされたい。
  →→今まで通りの形で、新年度に支障のないよう追求する
L.学校環境衛生について 
(7)理科室、少人数授業教室、家庭科室等の特別教室へ、エアコンを早急に設置されたい。
  →→エアコン設置の見直しが必要という事は認識する。室温の調査を検討する。
O.その他
(3)市内小学校の理科備品の実験金網の一部にアスベストが含まれていた。それらの回収・安全な金網の貸し出し方法についての不備と、担当者の不適切な対応について。
  →→金網にアスベストが含まれていたかどうかの調査結果を出す。
    担当者の対応については、指導する。

(指導課交渉)                       

以下、指導課交渉で確認した事項です。(記号は要求書の項目番号と対応しています。※は追加要求に対する回答。)

(1)学力向上プラン
②・5年担任など放課後学習の直接関係者を中心に教職員の声を聞いていく。
・昨年度の放課後学習の各学校へのアンケート集約の課題も付け加えた結果報告を情報提供する。
(2)2学期制について
※市教委として土曜日授業は考えていない。
②2学期制について2012年2~3月に全教職員の声を吸い上げ情報提供する。
(3)連携型小中一貫教育について
④「連携型小中一貫教育」においては第4中学校ブロックのような人事交流は現在では考えていない。
※カリキュラムの検討・生徒指導部分で小中間の連携を図る研究会・協議・調整が、新たに負荷されるだろう。
※教育委員会は、時短をふまえて、小中一貫教育の方向性を考える認識を持っている。学校が抱える仕事をスクラップ&ビルドでとらえ、教職員の負担が増えない方向で考えて行きたい。
(5)特別支援教育について
③・人的配置において、学級数の規模だけで判断するのではなく、子どもの実態・教師の勤務実態をみて配慮していく。
・新年度の配置が決まったら、プリペアサポート等どんな支援体制の人的配置があるのか、情報を4月に提供する。
(6)道徳教育・日の丸・君が代・元号 (前年と変わらないという回答でした。)
①道徳教育推進教師に対し新たな仕事を指示していない。
④卒業式・入学式での「君が代」斉唱時の起立・斉唱において、職務命令はなじまない。
⑥「君が代」斉唱を拒否し、起立しなかった教職員に対して、いかなる処分もなじまない。
(7)新学習指導要領に関して
①土曜授業は考えていない。
※教科書採択会議の文書公開について、9月の時限を設けず、公開できる内容は公開することを検討していく。
※近隣諸国条項については、市教委として教科書採択基準にどう位置づけるか調べ検討する。
(8)指導要録関係
②小学校の外国語活動の記録についは、出来るだけ教職員の負担軽減を考えていく。現場の意見をよく聞き次年度の参考としていく。
(9)学力診断テストについて
③その他の学校の希望利用については、基本的に授業での活用を進める方向で負担軽減を考える。
(11)学校自己診断について
③2009年度の各学校からの報告書のデーターを元にして、保護者のアンケート意見を一定集約し情報提供をする。
(12)ALT関係
②直接雇用が一番望ましいと思うが、直接雇用になるよう考えることは課題である。