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休憩時間訴訟 第3回控訴審報告

2008年12月21日掲載

(またもや結審を回避しました!)

 第3回控訴審は、11月19日(水)午後3時より行われました。前回の弁論で、裁判所は「休憩時間中の職員会議開催とその休憩時間の振り替え」について、被控訴人大阪府と高槻市らに「求釈明」をしました。そして、今回は、被控訴人両者が回答した準備書面、それに対する私たちの反論準備書面との対決になりました。裁判長が替わりましたので、もしかして今回で結審となるのではないかと心配しました。裁判長、陪席判事1名の変更に伴う裁判の更新で控訴人側に意見陳述が認められましたので、控訴人代表の松岡が控訴人準備書面(2)に基づいて陳述をしました。新しい三浦裁判長も静かに聞いてくれていたようでした。その陳述の結語部分を引用します。
 以上見てきたように、休憩時間中の職員会議開催とその振り替えは、貴裁判所が求釈明で提示した3つの例示のいずれの場合でもなく、
〔1〕休憩時間の振り替えの指示が一切なかったこと
〔2〕振り替えが取れたかどうかの確認もしていないこと
〔3〕振り替えが事実としてもとれていないこと
により、被控訴人高槻市及び校長らの主張「希有な場合において、校長が特定の時間帯を指定してその時間帯に休憩時間を取得するように指示することなく、各教職員の自主的な判断に取得を委ねていたとしても、国家賠償法上そのことが違法であるとは言えないというべきである。」(高槻市書面、2頁)は失当である。
 この事実は、<職員会議の開催によって取り消された休憩時間に代わる休憩時間をその日のうちに取得することができなかった>ことになり、労働基準法第34条違反であり、被控訴人高槻市らに国家賠償法上の損害賠償が求められる。また、「萬井鑑定意見書」にも述べられているように、給特法の限定4業務以外の超過勤務に対しては、時間外手当が支給されるべきであるから、被控訴人大阪府は休憩時間が奪われたことによって生じた未払賃金と時間外手当相当額を支給すべきである。

 さて、その後、今後の審理の進め方に入りました。実は、まさか送って来るとは我々も予測していなかったのですが、被控訴人高槻市が、今回の弁論の直前に、私たちの準備書面(2)に対する反論準備書面(3)を送ってきていました。その内容は、「6時間を超える以前に休憩時間が与えられていないことは労基法違反である」及び「8時間を超える勤務の際、1時間の休憩が与えられていない」との私たちの主張に対する反論でした。私たちは「被控訴人高槻市への反論を準備したい」と裁判長に求めましたが、高槻市の弁護士は余程慌てたのか、立ち上がって「今日で結審にされたい。控訴人の主張は結審後に補充書面で提出することも可能」と食い下がりました。しかし、裁判長は控訴人が反論を書面で提出することを認め、次回第4回控訴審は、来年1月29日(木)午後4時からとなりました。また、証人採用の関する結論も次回に出ることになりました。心配をしていた結審は今回も回避され、私たちに再度主張の機会が与えられました。前回は被控訴人大阪府の書面でのフライングで結審を阻止し、今回は高槻市の失敗で結審を回避できました。この機会を捉え、次回では高槻市の書面への反論をきっちりと準備し、証人採用を強く求めて行きますので、今後とも傍聴、ご支援をいただけますようにお願いします。
(松岡)