学労ネット

文部科学省「教員勤務実態調査」が始まる。

2006年7月8日掲載

文部科学省の「教員勤務実態調査」が始まった。

 「教員勤務実態調査について(依頼) 」には、「このたび、『簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律』が平成18年6月2日に公布・施行され、総人件費改革の観点から、学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法(昭和49年法律第二号)の廃止を含めた見直しその他公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年4月を目途に必要な措置を講ずることとなりました。」とあり、また、「教職員の給与については、その職務と責任の特殊性、勤務態様に基づき決定されることから、教職員給与の在り方を検討するためには、公立小・中学校の教員を対象とした勤務実態調査を行い、教員の勤務実態を明らかにする必要があります。こうしたことから、このたび、公立小・中学校の教員を対象とした勤務実態調査を行うこととなりました。」と今回の調査を位置づけている。「教員給与削減のための教員勤務実態調査?」(教員給与の削減は2年後の2008年4月実施)だと!この調査がどう使われるかを疑問に思わざるを得ない。ともあれ、40年ぶりの大規模な教員勤務実態調査が行われるので、その内容を紹介する。
(一作)

 実態調査は7月から12月まで6期に分け、1ヶ月毎に学校が替わる。高槻の場合は、7月(土室小)、9月(9中)、11月(津之江小)、12月(1中、冠中)。調査の委嘱は東京大学小川研究室で、調査の下請け業者はベネッセ。市教委を経由せず、直接学校に調査票は行き、回収される(宅配便を使用)。調査終了後、報告者が作成され、公表される。

 「教員個人調査票」を見ると、1日ごとに<記録時間帯>は午前5時から翌日の午前5時までの24時間であり、休憩時間の取得調査もある。

<業務の分類>は以下の通りである。
(児童生徒の指導にかかわる業務)
朝の業務、授業、授業準備、学習指導、成績処理、生徒指導(集団)、生徒指導(個別)、部活動・クラブ活動、児童会・生徒会指導、学校行事、学年・学級経営
(学校の運営にかかわる業務)
学校経営、会議・打合せ、事務・報告書作成、校内研修
(外部対応)
保護者・PTA対応、地域対応、行政・関係団体対応
(校外)
校務としての研修、会議
(その他)
その他の校務、休憩・休息


「教職員勤務実態調査の概要」
目  的
総人件費改革の観点から、教員給与の見直しを行うにあたり、教職員の給与については、その職務と責任の特殊性、勤務態様に基づき決定されることから、全公立学校小・中学校を対象とした教員の勤務実態調査を行うもの。

調査時期
 平成18年7月3日~12月17日(6月間)
 (1) 7月 3日~ 7月30日(4週間)
 (2) 7月31日~ 8月27日(4週間)
 (3) 8月28日~ 9月24日(4週間)
 (4) 9月25日~10月22日(4週間)
 (5)10月23日~11月19日(4週間)
 (6)11月20日~12月17日(4週間)

調査対象校
全国の公立小・中学校のうち、地域・学校規模のバランスを考慮して無作為に抽出した学校。
 毎月、小学校180校、中学校180校(延べ約2,160校)
 ※毎月調査対象校を変更(1校の調査期間は1月間のみ)

調査対象教員
 校長、教頭、教諭、栄養教諭、養護教諭、講師(常勤)
 ※学校事務職員、学校栄養職員は調査対象外。
 毎月約1万人(延べ約6万人)

調査の実施
 文部科学省が研究グループ(代表:小川正人東京大学教授)に委託
 調査票の配布、回収、集計等は民間調査会社が実施。
 (注)民間委託業者とは「ベネッセ」であると高槻市教委の情報提供

その他
 ●調査対象者は調査票を校長に提出。
 ●1月毎に集計する。

(備考)
 ・高等学校の教員についても同様に勤務実態調査を行う予定であるが、現在準備中。
 ・教員の多忙刊などの意識調査についても行う予定であるが、現在準備中。

以下、PDFでご覧下さい。
・>>>教員勤務実態調査について(依頼)
・>>>教員勤務実態調査・教員個人調査票