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休憩時間訴訟 第10回口頭弁論報告

2006年4月28日掲載

校長尋問への道を開いた休憩時間第10回口頭弁論報告

 4月26日(水)にありました休憩時間訴訟第10回口頭弁論報告をします。提訴より2年。休憩時間訴訟はついに本人尋問に入ります。
 平日の忙しいなか傍聴に参加していただいた8名の方の応援を得て、弁論が始まりました。冒頭に原告長谷川・志摩より休養室の設備不備に関する準備書面(10)の補足説明をし、原告の陳述書の提出確認(書証甲76号証として採用)の後、注目の本人尋問の詳細の確認に入りました。

1)本人尋問日程が決定しました!

 本人尋問の日程は、原告5人の尋問を2回に分けることになり、以下のようになりました。
<1回目>7月26日(水)午後1時45分~4時45分(809号法廷)
 代表尋問(総論、各論)の松岡が2時間、各論尋問の長谷川が1時間の配分。


<2回目>9月13日(水)午後1時45分~4時45分(同法廷)
 各論尋問として志摩、末広、家保のそれぞれが1時間
<尋問の形式>1、原告提出の尋問事項、陳述書等をもとに裁判官による尋問(1/3) 2、原告団からの補足尋問(1/3) 3、被告からの反対尋問(1/3)
 前日に開廷時間を遅くして欲しいとの上申書を提出していましたが、裁判長は「午後4時45分に終わりたい。裁判所も勤務時間がありますので」と発言し、原告団より「当訴訟は勤務時間について争っているのですが?」と発言があり、裁判官も含めて場内大爆笑!結局、陳述時間が短くなるのを避け、裁判所の開廷予定を15分ずらせた1時45分開始となりました。

2)裁判長が被告校長の証人申請を促す!

 最後の段階で、裁判長が次のような訴訟指揮をとりました。
 裁判長は「当裁判の争点として、1、給特法の法解釈があるが、法律そのものがあるので、これは置くとして(ということは給特法がらみて被告大阪府への未払賃金請求は勝たせる気がないのか?) 2、休憩時間を含む連続8時間労働の継続の問題(連続8時間45分なんだけど?)がある。後者について被告からの反証、被告校長についての被告側の証人申請を考えてもらいたい」と被告高槻市に証人申請を促しました。原告団、傍聴席から「えー!やった!」といったどよめきの声があがりました。
 そこで、大阪府の弁護士は「従来から主張していますように大阪府は休憩中の勤務実態については把握していませんので、そのようで結構です」と被告高槻市に振ったのです。(うちは関係ないってことよね。なんとせこい!こんなんて行政同士の関係であっていいのでしょうか?)その後、高槻市の弁護士は暗い顔で「検討します」と返事をしました。法廷終了後、エレベーター前で高槻市教委の役人連中と顔をあわせましたが、なんとも暗い顔をしていました。やりました!これで念願だった被告校長の尋問への道が開けました。

3)休憩時間問題にシュフトした尋問戦術の追求

 弁論後、労働者弁護団事務所で交流会をもちましたが、今後の本人尋問のなかでどういう方向を追求するか傍聴参加者のみなさんからご意見をいただきました。そこでは、休憩時間を含む連続労働の客観的論証の課題、被告校長の勤務時間管理に関する監督責任(これは行政に立証責任があります)、休憩時間に関する刑事罰を伴う労基法違反の問題、総じて休憩時間問題にシフトした尋問戦術を追求する必要が指摘され、原告団は今後の見通しをつけることができました。
 今後は6月4日(日)の午後に、当訴訟に協力いただいている方々の参加を得て模擬尋問形式をとった原告学習会を持つことを予定しています。原告5人は武者震いをしつつも明るい展望が開けた第10回口頭弁論でした。みんなで喫茶店でお茶をのみながら、談笑し、決意をあらたにして散会しました。(松岡)