学校から

「日の丸」常時掲揚反対!

2016年7月26日掲載

突然、「そこにポールがあるから揚げます」って・・(溜息)
理由なき「日の丸」常時掲揚 子どもにどう教えたらいいの?

 去る6月1日、高槻市教委総務課は「日の丸」常時掲揚を実施しました。理由は「施設管理面の問題」。70年間、高槻が教育において大事にしてきた事を、何の討議もなしに消し去ってしまいました。学労ネットは、しつこく市の責任と通知撤回を求めていきます。

高  槻  市  長   濱田 剛史  様
高槻市教育委員会
教育委員長 中村 公美子 様
教 育 長  一瀬   武 様
学校労働者ネットワーク・高槻
執行委員長  松 岡  勲

「日の丸」常時掲揚(指針)4.15教育長通知の撤回を求める

 高槻市立小中学校で6月1日から「日の丸」を常時掲揚することについて、学校労働者ネットワーク・高槻は、二度にわたり、組合との窓口である高槻市教委教職員課を通して総務課に説明と協議の場を設定することを申し入れたが、総務課は拒否した。
 高槻市の教育の根幹に関わる今回の問題に関して、貴教委が組合への説明及び協議を拒否したことに強く抗議すると共に、以下の理由から「日の丸」常時掲揚指針である教育長通知の撤回を要求する。

(1)高槻市立小中学校長宛に出した教育長通知「学校における国旗掲揚に関する指針の策定について」は、施設管理面から学校に「日の丸」を常時掲揚するとしているが、何ら法的根拠に基づかず、高槻市教委施設管理規則にも定めがない。このことは、地方自治の本旨から逸脱しており憲法(92条、99条)及び地方自治法等に違反するものである。

(2)「日の丸」の常時掲揚は、施設管理面の問題というよりも、教育の根幹に関わる問題である。すなわち、学校での「日の丸」常時掲揚は、子どもたちに毎日「日の丸」を仰ぎ見させることで国家への忠誠心をすり込むものであり、戦前の「国家主義教育」に回帰する危険性がある。

(3)戦後70年間、高槻市の小中学校で「日の丸」を常時掲揚してこなかったのは、「日の丸」が侵略戦争に深く関わっており、侵略のシンボルであった歴史的事実及び常時掲揚は学習指導要領にも定めがなく、内心の自由に深く関わり、教育内容の問題である。

(4)今回の件は、教育委員会議や市議会での議題や校長会での論議も経ていない。また、PTA協議会や単Pへの通知、或いは市の広報にも載せていない。
 教育内容の大きな変更に該当する学校での「日の丸」常時掲揚を、事前に児童・生徒に知らせることなく、また保護者・市民に周知することなく、一片の通知(指針)で実施するのは余りにも姑息である。したがって、通知の撤回を求める。

以上



高槻市の小・中への「日の丸」常時掲揚を許さない!

山田 肇

 4月末に高槻市教育委員会が教育管理部総務課名の「学校における国旗の掲揚に関する指針」という一片の通知を校長に下ろし、職員には回覧板や校長の報告で知らせたことにして、突然、6/1から「日の丸」の常時掲揚をやろうとしていることが明らかとなりました。それを教育指導課がやるのではなく、施設管理の総務課の一片の「指針」という通知でやろうとする卑劣なやり方も。
 1999年、「国旗・国歌法」の成立以前から卒業式への「日の丸」の強制的持ちこみに対して「教え子を戦場に送らない」と決意した教職員は、「日の丸」「君が代」に強く反対してきました。「日の丸」は、日本の侵略戦争の先頭でひるがえった旗です。植民地化した朝鮮にひるがえり、中国への侵略戦争では、南京はじめ占領した都市に天皇が君臨する大日本帝国の印そのものとして、ひるがえった旗です。高槻市教委は2012年の卒業式で「君が代」を立って歌えという職務命令を出し、私を処分し再任用まで取り消しましたが、それに続き、この侵略と戦争の旗=「日の丸」を、子どもたちが毎日目にする学校にあげようというのです。

「そこにポールがあるから」「日の丸」を揚げると言う高槻市教委

 高木市会議員の仲介で市民に説明の場を設けよと市教委に申し入れ、5/17、高槻市教委・教育管理部総務課から説明を受けました。総務課は、「公共施設である学校にも管理面から『日の丸』を揚げることになりました」と言うので、「管理面」とは何か?と聞くと、「『日の丸』を揚げるためのポールがあるから」と言う。「日の丸」とは何かを答えず、追及を予めそらすために、「そこにポールがあるから揚げる」と言う。あたかも、「日の丸」は窓ガラスかのように言う。
 そして、驚くべきことに「日の丸」の常時掲揚には法的根拠はない。市の規則にも「ございません」と平然と言う。法的根拠がないことを行政がやるのか?!そして、「指針」には強制力はないと言って、校長に強制しておきながら、揚げるのは校長の責任とばかりに、責任転嫁する。
 「日の丸」を70年間揚げて来なかったのに、なぜ、今、揚げるのか?子どもたちの教育への影響について、どう考えるのか?この核心の質問には答えない。総務課が答える範囲ではないと逃げる。これが彼らのやり口でした!
 さらに、6/1からの「日の丸」常時掲揚について、議会にも教育委員会議にもはかっていない。組合にも知らせていないし、PTAに説明もしていないと言う。市の広報にも載せないと言う。侵略と戦争の旗=「日の丸」を学校に毎日揚げるというのに、正面から説明もしない。市民も知らないうちに、教育委員会内部の密室でことを進めていたのです。
 知人から次のようなメールが届きました。「うわあ、これはなんだか、戦時中に突入するかのようなやり方ですね。正式な手続きをふまないで、とにかく強引に突破しようとするやり口。安倍政権を見習ったものなのでしょう。戦争のマグマが噴出しているようで、本当に怖いです」まったく同感です。

 「日の丸」常時掲揚反対の声を大きく上げる

 オリンピックやサッカーで「当たり前」とされても、「日の丸」は侵略と戦争の旗。この旗の下で、子どもたちが毎日、学習するとなると、ぞっとします。「日の丸」の下での教育!こんなことは許せない!「日の丸」常時掲揚に反対の声を大きくあげようと、“高槻市立小中学校に「日の丸」の常時掲揚を許さない会”を立ち上げました。そして、市民にこの事実を知らせようと、小林節さん講演会やJR高槻駅でビラまきを何度も行いました。高槻の学校に「日の丸」が常時掲揚されることを初めて知った市民からは、「えっ、高槻が!」「学校にどうして?」「頑張って!」という声が多く寄せられました。
 そして、高槻の60余の小中学校の校長とPTA会長宛に要請文を2回送りました。さらに、市役所職員にもビラまきを行い、総務課には「再質問書」を提出し説明の場を求めました。5月30日に総務課は文書で回答してきましたが、そこには今まで「日の丸」常時掲揚に「法的根拠はない」と言っていたのに、「国旗国歌法に基づき」という文言を忍ばせてきました。しかし、そんな国旗国歌法など根拠となりえないことは明らかです。
 5月30日には市役所前で50人をこえる市民が集まり、「日の丸」の常時掲揚を許すな!というアピールとシュプレヒコールを行いました。さらに、5月31日には市役所前で、「日の丸」の常時掲揚反対のプラカードを掲げてスタンディングを行い、10数人がマイクでアピールを行いました。

 「揚げるな!『日の丸』 降ろせ!『日の丸』」の闘いをつづけます

 悔しいことに、6月1日から高槻市の小中学校に「日の丸」が揚げられてしまいました。しかし、闘いは今から!スタートです。6月2日には高槻市役所前で市職員にビラまきを行い、教育委員会・総務課に抗議を行いました。さらに、6月13日には教育委員会・総務課と教育指導課に抗議文を持っていきました。総務課は抗議を恐れ、「警察を呼ぶ」とまで言いましたが、私たちの闘いは続きます。6月17日市教組組合大会にも『聴いて、先生』とビラまきを行い、「『日の丸』をすぐ降ろさせて下さい」と訴えました。
 「日の丸」常時掲揚は、子どもたちの教育の根幹にかかわる重大な問題です。子どもたちが、毎日、「日の丸」を仰ぎみて、その下で教育を受けていくことは絶対許せません。戦後70年「日の丸」の常時掲揚はなかったのに、今、なぜ、こっそりなのか!高槻市教委に学校現場、PTA、市民が納得のいく回答を引きつづき求めていきます。
 去年の安倍政権の「戦争法」強行可決という暴挙と、この「日の丸」常時掲揚は一体のものと考えます。子どもたちを「日の丸」の旗の下、「少国民」とさせるわけにはいきません。さらに、あらゆるやり方で「揚げるな!『日の丸』降ろせ!『日の丸』」の闘いをつづけます。ともに闘いましょう!