学校から

英語指導助手(ALT)偽装請負問題

2007年6月23日掲載

 今年3月23日の新聞報道(朝日、毎日新聞)でALTの偽装請負の問題があることを知った。それは、外国人労働者労働者でつくる「ゼネラルユニオン」(全労協系)の調査で、ALTが、実際には学校の指示で働いているのに、業務委託の形をとっているのは「偽装請負」であると、講師の直接雇用を各地教委に指導するよう大阪府教委に告発したとのことであった。

 ここで目を引いたのは、枚方市では現在の請負契約を見直し、派遣か直接雇用への切りかえを検討とあるが、高槻市は「文科省などとも相談したが、業務委託がただちに違法とはならないと聞いている」とし、新年度も現行のままでという、との箇所であった。

 この記事に疑問を持ち、資料の収集をした上、丁度、5月22日に組合の市教委交渉があったので、この問題も取り上げた。

 指導課は「大阪労働局の指導により派遣に切りかえることにし、派遣会社を探しているが、夏休み以降でないとALTの配置は間に合わない」と答えました。これはあきらかに「偽装請負」問題の対応に遅れた市教委の無責任な対応の結果であると言える。

 すでに文科省の2005年2月17日付の「外国語指導助手の契約形態について(通知)」で、この「偽装請負」問題での指導が明確に為されているのではないかと見解が正したが、新聞報道と同様の「文科省の指導は「違法でない」というものであった」との繰り返しであった。

 文科省の「外国語指導助手の契約形態について(通知)」の要点は以下の通りである。

「その契約の形態(種類、名称)に関わらず、派遣元の事業主が雇用する者を派遣元の事業主との雇用関係の下に、かつ、派遣先の学校の指揮命令を受けて当該学校のために仕事に従事させる場合は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)に基づく契約とすることが必要となります。」

「ついては、労働者派遣事業の概要等は、別紙のとおりですので、御参照の上、労働者派遣について不明な点等があれば、適宜、都道府県労働局に相談するなどして、現在締結している契約及び今後締結する契約について、適切な対応をとられるようお願いします。あわせて、優れたALTについては、正規教員としての採用を図るなど外国語の指導体制の充実に努めるようお願いします。」

 後日に明らかになったことであるが、全労協の文部科学省交渉での文科省のこの問題の回答では、この高槻市教委の回答がまったくの「嘘」であることが分かった。(高槻市教委は、文科省回答の前段「業務委託が直ちに違法となるのではないが」という所のみ都合よく利用しており、「労働局の判断の問題である」の部分を隠していたことが分かる。)

17.公立学校で働く外国人教員(JET、ALT、AETを含む)が日本人教員と対等に授業等を担当できるように法改正を行うこと。
また、全国で多くの地方自治体がALT偽装請負契約を締結している。ALT雇用の実態を調査するとともに、20055年2月17日付「外国語指導助手の契約形態について(通知)」(16初国教第121号)の周知を徹底し、偽装請負や労働者派遣法違反を追放し、直接雇用を行うように地方自治体を指導すること。
【理由】地方自治体が偽装請負契約を締結するなど、違法行為が増加している。地方自治体によっては、「文科省から偽装請負契約は違法でないと言われた」(大阪府高槻市)というところもある。文科省自身の見解を明らかにして、本要請を実行に移されたい。

(高槻市関係への文科省の回答)
高槻市に対してそのような回答をしたことはない。「業務委託が直ちに違法となるのではないが、労働局の判断の問題である」と答えている。

 最近の情報では、ALTの配置は(高槻では2学期制になったので)「後期」の10月からであるという。半年も配置が遅れた責任は実に高槻市にあり、この責任は追及されなければならないだろう。また、「ゼネラルユニオン」の情報では、枚方市では派遣ではなく「直接雇用」にしたそうである。この点でも高槻市の対応のいい加減さが目立つ。

 市教委との交渉で問題だと思ったことは、ALT関係の予算と管轄は、教職員課ではなく、指導課であるということである。ALT雇用問題が労務管理が主管の教職員課の管轄でなく、労働条件については一見識もない「指導課」がALTの労働条件を握っていることである。この他にも、最近、諸種の教育事業が新規に学校に導入され、「非正規」の職種が学校内に増えている。これらも「指導課」が予算をもつ事業であり、この職種で働く労働者の労働条件は「指導課」が掌握している。労働問題に見識がない「指導課」が「非正規職」を管轄していることに問題が大いにあると考えられ、今後とも追及していかなければならない。
(一作)