学校から

正常ではない!=誰がための処分なのか?=

2004年4月6日掲載

東京都教委が、今年の卒業式の「国歌斉唱」時に不起立だった教員に発令した処分説明です。

卒業式の際、教員席の後ろに教員を監視する席をおいたり、教頭が教員が口を開けて歌うのを現認するのを現認する都教委を派遣したり、子ども達の晴れの巣立ちの場で、常軌を逸した都教委、学校管理職の姿が浮き彫りになりました。

「戦場にかける橋」という50年前の名画で、アレック・ギネス扮する軍医が「狂気だ、狂気だ!」と叫ぶ有名なラストシーンがあります。
アレック・ギネス流に言えば、この発令通知書は『狂気』である戦争そのもの、国民個人の意思を封殺する戦争そのものと言えるのでは。

   発令通知書



『氏   名』    【略】

『所   属』    【略】

『発令内容』    地方公務員法第29条第1項第1号、第2号及び第3号により戒告する



          平成16年3月31日

『発令権者』    東京都教育委員会



                  処分説明書



『交付』『所属』『氏名』『職種』『生年月日』 【それぞれ略】

『処分の種類及び程度』     戒告

『処分年月日』         平成16年3月31日

『根拠法規』          地方公務員法第29条第1項第1号、第2号、及び第3号

『刑事裁判との関係』      刑事裁判に係属していない

『処分の理由』

 上記の者は、平成16年○月○○日午後○時○○分ころ、○○高等学校職員会議において、同会議に出席した教職員と共に、同校第○○回卒業式では国歌斉唱の際は起立して斉唱することという職務命令を校長から口頭で受け、また、同年○月○日午後○時○○分ころ、校長室において、同様の内容の職務命令を校長から文書で受けたにもかかわらず、同月○日午○○時○○分ころ、同校体育館で開催された卒業式の国歌斉唱時において、起立しなかった。

 このことは、地方公務員法第32条に違反するとともに、全体の奉仕者たるにふさわしくない行為であって、教育公務員としての職の信用を傷つけ、職全体の不名誉となるものであり、同法第33条に違反する。
 よって、上記の処分を行うものである。

 この処分に不服のあるものは、地方公務員法第49条の3の規定により、処分のあったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、○○○人事委員会に対して不服申し立てをすることができる。ただし、この期間内であっても処分のあった日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができない。

『処分者職氏名』  東京都教育委員会


<法規説明>

地方公務員法第29条第1項・・職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告(賃金に影響する処分)減給、停職又は免職の処分をすることができる。

  第1号・・この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基づく条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規定に違反する場合。

  第2号・・職務上の義務に違反し、または職務を怠った場合。

  第3号・・全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合。