WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

  • 2010新年号
  • ●柏原登希子

sabreen hafed

サブリーンの夢

残された左目で、サブリーンはたくさんの夢を描いた。靴をはいて踊る猫、鮮やかで色とりどりの模様が入ったスカートをはいてお出かけする女の子…サブリーンの描く絵は、どこかユーモラスでキュートで、楽しい。

サブリーンは11歳でがんを発症し右目を失った。家が貧しく、病院内学級で初めて字を習い、絵を描いた。イラク日本医療支援ネットワーク(JIM-NET)は2006年からサブリーンの絵をチョコレートのパッケージに使って募金を行った。

ところがサブリーンのがんは再発。09年9月に左目も失明した。サブリーンは「絵が描けない。院内学級の先生になりたかったのに夢がなくなった」と嘆いた。そして10月16日、「私は死にます。でも私の絵でチョコレートのパッケージを作っていると聞いて幸せ。募金でイラクの子どもたちを助けて。ありがとう」と小さな声で言い残して死んだ。

1991年の湾岸戦争、2003年のイラク戦争でアメリカは劣化ウラン弾を使用した。その後イラクではがんや白血病の子どもたちが激増し(罹患率が3~4倍に)、多くが経済制裁による医薬品不足もあり死亡している。アメリカは病気と劣化ウラン弾の「因果関係」を認めていない。でも、サブリーンは病気がアメリカの爆弾によるものと確信していた。

いったい何人のサブリーンが、イラクにはいるのだろう?

劣化ウラン弾を禁止する条約はまだない。核兵器廃絶の取り組みの中にも劣化ウラン弾は入っていない。

サブリーン・ハフェド

1994年2月5日イラク南部バスラ生まれ。11歳の時がん(横紋筋肉種)を発症。右目の摘出手術を受ける。直後からバスラにある病院の院内学級に参加。13歳、14歳でがん再発。2009年9月左目失明、10月16日永眠。享年15歳。

*「いのちをつなぐチョコレート」サブリーンの絵がプリントされた缶に入っているのは、北海道・六花亭のチョコレート(10個)。募金をすると、カード付きのこの缶入りチョコレートがプレゼントされ、がんや白血病に苦しむイラクの子どもたちには医薬品が届けられます。チョコレートでイラクにたくさんいる「サブリーン」を救おう!
4口(4柄)=2000円を1セット。セット単位で申込み。送料別。
日本イラク医療支援ネットワーク TEL03-6741-9665 FAX03-3204-0308
http://www.jim-net.net/

【 新聞代 】(送料込み)
 1カ月750円、3カ月2,250円
 6カ月4,500円、1年9,000円
【 振込先 】
 郵便振替:00180-6-196455
 加入者名:婦人民主クラブ
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