WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

ガールズ農場の代表取締役

菜穂子さん

  • 2010.09.05
  • 聞き手:鈴木京子
  • 撮 影:阿部哲也

菜穂子さん

農業やりたい女子、集まれ!

 就業6年目の2009年4月、菜穂子さんは、ガールズオンリーの農場を立ち上げた。
 国立ファーム(株)山形ガールズ農場は、さくらんぼの産地として知られる山形県村山市で、1・5ヘクタールの田んぼと1ヘクタールの畑を耕作する。水田には農薬を使わず漢方薬で育てる「漢方ミスト米」、畑には色形が豊富なトマトやひょうたん型カボチャ、ジャンボシシトウなど、カラフルでかわいい野菜が約30種。
 メンバーは、初年度2人、今年4人を採用し、菜穂子さんを含め7人だ。出身地もバラバラな20代女性で、菜穂子さん以外は農業経験もほとんどない。
 最初の3年間は赤字覚悟、4年目での黒字化を目指す。 今は、立ち上げ時に支援を受けた、東京のグループ会社を通した野菜のボックス販売や系列店への出荷が主だが、「対等な関係でありたいから」と地元での販路拡大も進める。今年は加工も始め「野菜のおいしさを生かした」プリンを、道の駅などで販売する。
 菜穂子さんの家は、父親が農業、母親が公務員という兼業農家。3姉妹の末っ子で、いわば〝跡取り娘〟だが、菜穂子さんは「農家」とは別の、農業者の道へ踏み出した。

 教育心理学を学んでいた菜穂子さんが、農業を職業とすると決めたのは大学3年生の時。
 「教育実習にも行きましたが、自分の伝えたいこととは何か違うと感じて…。もっと実感をもった体験が子どもには重要なのではないかと思ったのです」
 小さなころから生き物や自然に触れてきた自分の体験を振り返り、農業を通して自然に触れ合い「その厳しさや食べ物のありがたさ、そんなものを感じとれる活動がしたい」と思った。
 母親だけが「あなたらしい」と賛成してくれたが、父親と祖父母は「何を言ってるんだ?」という反応。「おしかけで」父親と働くこと3年。感じたのは「こだわってつくってもなかなか売れず、こだわりが評価されない。もっとやりがいのある農業をやりたい」だった。
 そんな時、農業青年の集まりで、ある実業家の講演を聞いた。彼は「生産者のこだわりを伝える会社をつくって、生産者が自分たちで値段をつけ販売できる流通をつくろう」と話した。
 菜穂子さんはその理念に共感し「理想とする流通を一緒につくりたい。新しいことがチームとしてできるのではないか」と彼を訪ねた。父親との農業を続けながら、その会社の契約社員となり、山形の「いいもの」やこだわりある生産者とのつなぎ役を担った。
 そして、とうとうガールズ農場を立ち上げる。農家の跡取り娘ではなく、農業生産法人の経営者として、農業者となる道を選んだ。

続きは本誌で...


なほこ

1981年、山形県生まれ。国立ファーム㈱山形ガールズ農場代表取締役。横浜国立大学卒。3歳から畑で父の手伝いをした。楽しみは愛犬のゴールデンレトリバーと散歩すること。
ガールズ農場ブログ http://kf-mono.jugem.jp/

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