(C)落合由利子
「ボランティアの、上から目線に自分が惨めになった」「俺たちはどうせ忘れられる」
堀切さんのカメラには生の言葉がすくい取られている。 福島原発事故で役場ごと埼玉県に避難してきた双葉町の人々を追ったドキュメンタリー映画『原発の町を追われて』は2013年、やよりジャーナリスト賞の期待賞に輝く仕事となり、今夏は第3部も完成した。
双葉の人々に裸の言葉を吐き出させたのは、話を聞きたい気持ちのまっすぐさ、やわらかさ。「ずっと原発に反対していたんです。でもこういう事故が起きちゃって、やるせない気持ちでいっぱいで、みなさんがどういう気持ちでいるのかを聞きたくて、通ってるんです」
じつは堀切さん、平日は小学校で給食調理師をしている。
大学時代から三里塚に行ったり、公害問題を追いかけたり。NHKスペシャルなどのドキュメンタリーにも学び、映像の力を実感していた。「でもカメラをいじるのは苦手だし、作り手になろうとは考えもしなかった」
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