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インタビュー

映画『きらめく拍手の音』監督

イギル・ボラさん

  • 2017.6.15
  • 聞き手…中村富美子
  • 撮影…落合由利子

イギル・ボラさん

(C) 落合由利子

ろうの両親にカメラを向けて

 

映画監督、イギル・ボラさんの両親は耳が聞こえない。しかし手話でおしゃべりする二人は、なんとも賑やかだ。仲良く戯れ、笑い、ときに悩んで額を寄せ合う。ドキュメンタリー映画『きらめく拍手の音』はそんな両親への愛にあふれ、聞こえない世界を生き生きと発見させてくれる。

小さい頃から手話通訳で親を支えていたボラさん。さぞや大変だったろうという問いは、あっさり否定された。子どもには難しすぎる不動産屋との電話に四苦八苦、といった経験はあるものの、親を助けるのは自然なこと。親の障碍そのものを負担に感じたことはないという。

 

重荷は別のところにあった。それは「世の中の偏見や差別にぶち当たるとき」。例えば目の前で親を悪く言う人がいる。「私にしか聞こえない悪口を親に通訳するわけにもいかず、表情を動かさずじっと我慢して。それが子ども心につらかった」

「障碍者の子」というレッテルにも縛られた。「百点を採れば障碍者の娘なのに偉いね、と親子で褒められる。反対に一つでも間違ったことをすれば、やっぱり親が障碍者だから、と親子で叩かれる。いい子でいないと障碍者の子は生き残れない」。いい成績をとり、いつもニコニコして。「早く大人になったと思います。話し相手が同情しているか、戸惑っているか、優劣で見ているか。鋭く感じとり、どう対応するかも自然に身につけた。生き残らなきゃという気持ち。それが重荷でした」

        続きは本紙で...


イギル ボラ

ろうの両親のもとに、韓国の田舎町に生まれる。高校を1年でやめ、アジアを旅し、映画監督の道を独学で歩む。山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞に輝く初の長編『きらめく拍手の音』は、東京・東中野ポレポレほか全国で順次公開中。監督や家族のトークもある。

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