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インタビュー

映画『娘よ』の監督

アフィア・ナサニエルさん

  • 2017.3.5
  • 聞き手…清水さつき
  • 撮影…宇井眞紀子

 アフィア・ナサニエルさん

パキスタンの女たちを勇気づけたい

 

少女に結婚を強いる「児童婚」「強制結婚」を題材に、パキスタン出身の女性監督が映画を撮った。映画の舞台はパキスタンの山岳地帯の部族社会。10歳の娘が部族間の紛争解決のため、相手の部族長との結婚が決められた。それを知った母親が、娘を連れて逃避行する。実話に基づく映画『娘よ』を監督したのは、アフィア・ナサニエルさん。

児童婚は南アジアから中東、アフリカにかけて行われ、社会の旧弊や貧困が要因だと言われる。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」でも廃止を掲げる。ナサニエルさんは「この映画を見た人が何をすべきかを考えてほしい」と語る。

 

パキスタン西部、アフガニスタンと国境を接する山岳地域は、今も多くの部族が独自の規範と慣習のもとに生きている。映画では、夫から娘の結婚を言い渡された母アッララキが、結婚の日、娘を連れ、密かに家を出る。アッララキ自身もかつて15歳で結婚させられた。恋愛も知らないで人生の終わりを迎えてしまった…という思いを、娘にはさせたくない。この一心で娘を連れて逃げる。果たして逃げ切れるのか―。観客は胸が押しつぶされそうな思いでスクリーンを見つめる。夫と、娘の結婚相手双方の部族に追われるスリリングな場面も挟まれ、目が離せない。

ナサニエルさんは、古い歴史を持つパキスタンの文化都市・ラホールの大学でコンピュータサイエンスを学び、卒業後は広告代理店で働いた。  「私の家系の女性たちは精神的に強く、そんな影響も受けました」。一方でパキスタン社会は依然、家父長制が根強い。女性の社会的地位も低く、女性が婚前・婚外の性関係を持ったことで家の名誉を傷つけたと親族に殺される「名誉殺人」も行われている。

        続きは本紙で...


Afia Nathaniel

1974年、パキスタンのクエッタ生まれ。現在は娘と夫と米・ニューヨークに住み、大学で映画製作を教えている。『娘よ』は初の長編監督映画で、2015年の米アカデミー賞外国語映画賞部門のパキスタン代表に選ばれたほか、クレテイユ国際女性映画祭観客賞など受賞多数。『娘よ』は3月25日から東京・岩波ホールほか全国順次公開。http://www.musumeyo.com/

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