イラクでがんにかかった子どもを支援するためのチョコレート募金を、毎年年末から行う「日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)」。本紙も紹介しているので、イラクの子どもたちが描く色のきれいな絵を覚えている人もいるだろう。
そのJIM-NETのイラク支援事業のプロジェクトマネジャー、榎本彰子さんが帰国していると知り、話を聞いた。
JIM-NETは、イラクのバスラ、バグダッド、アルビルで、小児がんの子どもの治療や医薬品支援と、シリア難民の妊産婦支援、「イスラム国」の勢力下から逃れた国内避難民の医療支援、そしてイスラム国に囚われ逃げてきた女性や女の子の医療支援も行う。
大学1年生の時に9・11が起きて衝撃を受けた。「アフガン攻撃、イラク戦争が起き、報道で悲惨な様子を目の当たりにしました。戦下のイラクで女性や子どもはどんな暮らしをしているのか、将来何かできれば、と考えるようになったのです」 生まれ育った大阪・岸和田市に住む両親は、海外に行ったこともなかった。「でも私は外国へ行きたかった。大学の留学生寮で住み込みのアドバイザーになって外国人と交流しました」
中東政治に関心を深め、レバノンに1年半留学。18の民族が生きるモザイク国家が一定の安定を保つその理由を知りたかった。そこでパレスチナ難民の存在を知り、今を懸命に生きる難民に焦点を当てた支援活動を志すようになった。
続きは本紙で...