「にんしんSOS東京」という電話相談がある。思いがけない妊娠に悩む女性たちが、自分で納得がいく選択ができるようサポートする電話・メール相談である。東京で、昨年2015年の12月からスタートした。
中島かおりさんは、助産師の仕事のかたわら、この「にんしんSOS東京」で相談を受けている。毎日午後4時から深夜0時までの相談を、7人の仲間と一緒に担う。妊娠相談窓口は全国にあるが、熊本や大阪の窓口に東京方面からの相談が多く寄せられていることを知り、「東京でもしっかりよりそう相談が必要だ」という思いで始めた。
相談は増え続け今年2月までに相談件数はのべ200件を超える。相談者の年齢はさまざま。10代、20代をはじめ、30代の女性もいる。相談内容も、妊娠してしまったかもしれないと悩み、ネットで情報を調べることはできても、自分の状況にどう対処していいかわからない、友だちにも、お母さんには絶対に相談できないという10代の女の子もいる。
経済的な問題もあった。検診料が高そうで怖くて行けない、国民健康保険に未加入など。区役所に一緒に行って健康保険に加入するところから手伝うこともあった。1回だけの相談では終わらない。聞いていくうちに新たな問題がみつかることもある。フル回転している。
その人自身が選択できるように支える。産むことも、迷った末に、産まない/産めない、あるいは産むけれども育てないという選択をする人もいる。
「ゼロカ月ゼロ日の〝虐待死〟が後を絶たない。でもああいう事件は氷山の一角なんですよ」
にんしんSOS相談窓口としては、熊本市で赤ちゃんポストを開設する慈恵病院が有名だが、その他全国31カ所にある。自治体直営、民間運営など形態はさまざまだ。
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