子育ては、合唱みたいにみんなで
子どもへの虐待や不適切な関わりについて知ってもらい、被害をなくすための啓発活動を行うオレンジリボンキャンペーン。これをゴスペルを通じて知ってもらう「オレンジゴスペル」を企画したという女性がいる。ニューヨーク在住の音楽プロデューサー、打木希瑤子さんだ。2010年から毎年秋に日本でワークショップやコンサートを行っている。
もともと音楽関係の仕事をしていた打木さんは、00年ごろから、ニューヨークのゴスペルショーを日本で開催する仕事を手がけていた。離婚を経験し、シングルマザーとして再出発した頃だった。
幼い息子の子育てに、日本とニューヨークの往復で忙しい日々だったが、やがて、あるアメリカ人男性と出会い、再婚を決意する。そして04年に米国へ移住。だが、結婚式の翌日から、夫の態度が豹変した。
最初にDVを指摘したのは、ビザの手続きの相談に応じてくれた女性弁護士だった。協力的でない夫の態度について、「彼、なんかおかしいよ」と言われたが、否定した。多くの場合、DVを認識するまでには時間がかかる。「今度口論になったら、警察を呼ぶといい」とも言われたが、まさかと聞き流した。
夫婦がしっくりくるまでは時間がかかるもの。単なる国際結婚のすれ違いだろうと思った。けれど、ある大晦日の夜、いつもより激しい口論の末、弁護士が言ったことが本当になる。
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うちき きょうこ
1964年東京都生まれ。音楽プロデューサー。2010年より「オレンジゴスペル」イベントを主宰。今秋のボランティアや寄付・協賛を受け付け中。問い合わせは、オレンジゴスペル実行委員会 mail:orangeribbonjp@gmail.com