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インタビュー

映画『ふたりの死刑囚』の監督

鎌田麗香さん

  • 2016.1.15
  • 聞き手…岡田真紀
  • 撮影…落合由利子

鎌田麗香さん

司法の非道への怒りと真実への情熱

 
  • 東海テレビ記者、鎌田麗香さん、30歳、1985年生まれ。鎌田さんは袴田巌さんと奥西勝さんをテーマにしたドキュメンタリー映画『ふたりの死刑囚』の監督を務めた。袴田事件と呼ばれる強盗殺人放火事件が静岡県清水市(当時)で起きたのは1966年。奥西さんが被疑者とされた三重県名張市の毒ぶどう酒事件は1962年。いずれも鎌田さんが生まれるはるか前のこと。なぜ鎌田さんはこの映画に関わることになったのだろうか。
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  • 鎌田さんは名古屋で生まれ育ち、文章を書くのが好きで、東京の大学では文学部に進んだ。学生時代から行政の財政問題に関心があり、卒論では北海道・夕張市の経済破綻を取り上げた。「社会で起きていることを知りたい、知ったことを伝えたい」と、新聞記者を志した時期もあったが、2008年に東海テレビに入社。8年ぶりの女性記者採用だった。
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  • 袴田さんは勤め先の専務家族を殺害したとされ、死刑判決を受けるが、自白は強要されたものと主張。何度も再審請求した末、収監から47年余り後の14年3月、再審開始が決定される。釈放はされたが、検察は即時抗告し再審は始まっていない。一方、名張事件は、公民館での集まりでワインに毒物が混入され、5人が死亡。奥西さんは一審無罪だったが二審は自白の強要性を認めず有罪、死刑判決。9次にわたる再審請求をするものの再審されないまま、54年の収監生活の末、2015年10月獄死する。89歳だった。
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  • 東海テレビは発生直後から名張事件の経過を追い続け、門脇康郎さんによる「証言~調査報道・名張毒ぶどう酒事件」、齊藤潤一監督の映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』などドキュメンタリーの秀作をいくつも作っていた。鎌田さんも司法記者として、病の奥西さんが収容されている八王子医療刑務所に通うようになっていた。
  •   続きは本紙で...


    かまた れいか

    1985年、愛知県名古屋市生まれ。2008年東海テレビ放送入社。警察・司法担当記者を経て、15年、本作が初のドキュメンタリー作品。現在は遊軍記者としてニュースの特集ディレクター。名古屋の再開発や待機児童問題に関心がある。映画『ふたりの死刑囚』は、東京・ポレポレ東中野、愛知・名古屋シネマテークほか全国順次公開。『ふたりの死刑囚』ウェブサイトはhttp://www.futarinoshikeisyu.jp/

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