ヒロシマの私たちは許さないですよ
安保法が未明に成立した9月19日。広島市内で会った森瀧春子さんは、低く柔らかい声で「なるべくぼかして写真を撮ってくださいよ。まあひどい顔して」などと軽やかに語りはじめた。「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表、「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」事務局長(DUは劣化ウラン弾)などを務め、核兵器廃絶を願う人たちの思いを束ねてきた森瀧さん。9月13日に広島市内の公園で7000人が集まった、「NO WAR NO ABE」の人文字プロジェクトの呼びかけ人の一人でもある。人文字に携わるのは、2003年のイラク戦争直前に「NO WAR NO DU」の人文字に続き2回目。
「皆さん、家で国会中継見てイライライライラした人が多かったと思うんだけど、人文字の一点になるって、積極的な参加を感じる行動形態ですよね」
一方で「戦争法に振り回されて、時間を取られた」とため息まじりの森瀧さん。実は今、11月21日から広島で開催する「世界核被害者フォーラム」(7面参照)の事務局長として多忙な毎日を送っている。ウラン採掘、核実験、核戦争、劣化ウラン弾、原発事故など、核開発のあらゆる過程で生み出される世界のヒバクシャを広島に招き、情報の共有と連帯を求める会だ。
森瀧さんが6歳の時、広島に原爆が投下された。その直前に県北の父の郷里にたまたま疎開していて被爆を免れた。しかし大学教員だった父・森瀧市郎は学生とともに工場に動員されており、動員先で被爆。右目の視力を失った。
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もりたき はるこ
1939年広島県で生まれ、育つ。核兵器廃絶日本NGO連絡会世話人、ウラン兵器禁止を求める国際連合(ICBUW)運営委員。四国電力・伊方原発差し止め訴訟原告。父・森瀧市郎の講演や文章を集めた『核と人類は共存できない 核絶対否定への歩み』(七つ森書館)も出た。「世界核被害者フォーラム」詳細は
http://www.fwrs.info/