からだで感じ、からだで考える
えっ、東京の街でスキップ!? このアッと驚く企画の呼びかけ人は、以前ふぇみんに「ほどけるからだ」を連載(2009~10年)してくれた、舞踏家の菊地びよさん。きっかけは、3・11後に経済産業省前の反原発女のテントで何回か行った「からだのワーク」だった。
「デモに参加するだけではなく、誰もができて、気持ちが少し変われるものはないかなと」
「スキップなんて」と躊躇していた青年がしばらくすると「なんて自由なんだ!」と諸手を挙げて叫びながら跳んでいる。「何十年ぶりかしら」と参加してくれた80代女性の笑顔。子ども時代の何も要らなかった解放感がよみがえる。
「恥ずかしがることも、格好つけることもない。さまざまなスキップを自由に楽しみながら、からだ自体がスキップそのものになる感覚や喜んでいるからだを感じてほしい」
身体が解放されると心も解放される。スキップのあとの「福島のことを話そう」のおしゃべりも、初対面でもそれぞれの思いがほとばしる。
「霞が関の役人も一緒に跳んだら、少しは違う感覚になると思うのだけど…」
東京・渋谷にある宮下公園の野宿者閉め出しの反対運動で知り合った女性の声かけで、スキップの場所は霞が関から神宮前、渋谷周辺へと移った。
続きは本紙で...
きくち びよ
1968年、東京都生まれ。子どもの頃からいわゆる体育会系で、大学以降、身体での表現を模索。大野一雄舞踏研究所を経て、ソロ、グループ、即興などさまざまな場でのおどりやワークショップに取り組む。http://wind.ap.teacup.com/biyo/