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インタビュー

安倍靖国参拝違憲訴訟の原告

関千枝子さん

  • 2015.1.25
  • 聞き手…竹内絢
  • 撮影…落合由利子

関千枝子さん

戦争の始まりって分かりにくいのよ

 
  •  2013年12月26日、関千枝子さんはニュースを見ていて安倍晋三首相が靖国神社を参拝したことを知り、すぐさま電話を手にした。「安倍は必ず靖国に行く。参拝したら裁判をやるぞ、と思っていたから」
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  • 首相の靖国参拝を違憲とする訴訟の原告になるのは小泉元首相に続き2回目。今回は原告代表として第1回口頭弁論で意見陳述を行った。関さんが靖国にこだわるのは、憲法第20条が規定する政教分離と信教の自由が民主主義の根幹だから。安倍首相の違憲行為を許すわけにはいかない。  靖国神社は日本の侵略戦争を支えた装置であり、教育勅語と並んで天皇制と軍国主義を支える精神的支柱だった。「かつて日本は、すべての宗教の上に国家神道があって、その『軍事部門』の大本が靖国だった。20条のことを意識しない人が多いけど、『政教分離』は9条と並んで非常に重要なもの」
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  • 小学校の頃から本好き。東京の私立校ではそれを褒めてくれる先生もいた。1944年に父の仕事で広島に転居、県立の女学校に入り「皇国精神」のための厳しい規則に驚いた。髪型まで決められていた。教科書以外は持ち込み禁止。小説を読むと不良になると言われた時代だった。当時はこれが当たり前だったのだが、「本の禁止」はどうしても納得できなかった。
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  • 2年生になった45年、戦況の悪化とともに勤労奉仕の日が増え、授業は減っていった。8月6日の朝、関さんはひどい下痢をしていた。学校を休むなんてよほどの理由でない限り「非国民」と言われる時代。しかし母親は頑強に休めと引かず、同じクラスの親友が迎えに来てくれたが、まどろんでいるうちに彼女は行ってしまった。  そして8時を過ぎたころ、閃光が光り、轟音と爆風が広島をおそった。  関さんのクラスはこの日、建物疎開の後片付け作業に動員されていた。爆心地から南に1キロほどのところで全員が被爆、全滅した。自宅にいた関さんは無傷で「命を拾った」
  • 続きは本紙で...


    せき ちえこ

    1932年大阪府生まれ。毎日新聞記者を経て、全国婦人新聞「女性ニューズ」記者、編集長を長く務めた。『広島第二県女二年西組』(筑摩書房)など著書多数。裁判の支援会員を呼びかけている。郵便振替口座00170-2-291619 安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京

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