」だった。
自らも韓国の人ともっと話したいという思いで韓国語を習い始めてまもなく、詩人で韓国現代詩の紹介に尽力した、故・茨木のり子さんのエッセイで、尹東柱と出会う。
「数行のエッセイだったのですが、尹東柱が東京の立教大学に留学していたことが書かれ、自分と同じ学び舎にいた彼のことを知らずに学生生活を送っていたことがショックでした。まして、創氏改名で「平沼」と名乗っていた彼が朝鮮語の詩を書いただけで逮捕され、日本で獄死したという重み…。贖罪の気持ちから、何かできることはないかとすぐに思いました」
夫は海外出張も多い転勤族。各地を転々とし、4人の子育てに追われる毎日だったが、地域の活動とやりくりしながら、尹東柱にのめり込んでいった。
続きは本紙で...
やなぎはら やすこ
1946年、静岡県生まれ。詩人尹東柱を記念する立教の会、尹東柱の故郷をたずねる会会員。我孫子・白樺教育館学芸員、NPOこどもすぺーす柏会員。尹東柱没後70年記念の遺品・遺稿巡回展示会と追悼事業の詳細は、pyol-1917@ezweb.ne.jpまで。