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インタビュー

メトロ売店の非正規労働の待遇格差を訴えた

後呂良子さん

  • 2014.07.15
  • 聞き手…赤石千衣子
  • 撮影…落合由利子

後呂良子さん

平均年齢62・5歳の抵抗

 「私ね、労働組合とか、興味なくてきらいだったの。一匹オオカミの私が徒党組むなんて。でもね、毎日働いて手取りが13万円ですよ、それで契約社員の中でもAとBで差をつけられて。おかしいでしょう? いくら団体交渉しても会社は真摯に聞いてくれない。情報も開示しない。だから提訴するしかなかったんですよ」  芝居で鍛えた後呂良子さんの声が響く。  東京に来たことがある人なら東京メトロの地下鉄には乗ったことがあるだろう。駅のホームや改札の中には売店がある。地下鉄の売店で働く女性たちが、待遇に差別があるとして今年4月、雇い主の東京メトロコマースに格差の是正と損害賠償を求めて提訴した。後呂良子さんは「全国一般東京東部労働組合メトロコマース支部」の委員長という立場で、仲間7人と共に、非正規労働者2000万人の待遇格差が労働契約法20条違反だとして裁判を闘っている。    東京メトロの売店で後呂良子さんが働き始めたのは8年前。女優として芝居を続けている後呂さんは「生の人間と出会える」とこの仕事を始めた。  後呂さんはしばらくして契約社員の中にも待遇に格差があることに気付いた。契約社員Aのボーナスは年60万円に対し、契約社員Bのボーナスは年20万円。契約社員Aは月給制に対し、Bは時給制。正社員はもっと待遇がいい。しかもAになるかならないかは、上司のさじ加減で決まる。そんな待遇面の格差にひとこと言いたいと、組合立ち上げメンバーに加わった。  組合は団体交渉し、売店に丸椅子を置く、忌引休暇を有給休暇にするなど小さな成果を得ながら活動してきた。  丸椅子が支給され、具合が悪いときには座れるので組合員ではない人にも感謝された。時給も5年前から10円ずつ上がるようになった。社内の協和会(互助会のようなもの)にも入れるようになった。しかし格差は是正されず情報も開示されなかった。 続きは本紙で...


うしろ りょうこ

1954年三重県生まれ。舞台芸術学院で演劇を学ぶ。2009年全国一般東京東部労働組合メトロコマース支部に加入、委員長。活動はDVD「メトロレディーブルース」(ビデオプレス)にもなった(今年7月末に続編も)。2度のストライキを経て2014年、差別待遇是正を訴え提訴。

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