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インタビュー

無戸籍児問題に取り組む

井戸まさえさん

  • 2013.12.05
  • 聞き手…社納葉子
  • 撮影…有本真紀

井戸まさえさん

幸せを後押しする法律をつくりたい

 その日のことは生涯忘れられないと、井戸さんは言う。  産院を退院し待ちかねた家族と幸福感に浸っていた時、電話が鳴った。夫が出生届を出してきたばかりの兵庫・芦屋市役所からだった。名前を確認した後、いきなり「あなた、離婚してますね?」と切り出された。井戸さんは2001年に前夫と離婚し、02年に3人の子を連れて現在の夫と再婚した。直後に子どもを授かったのだが、産まれた日が前夫との離婚が成立した日から265日だったため、民法772条の嫡出推定制度に引っかかったのだ。「300日ルール」とも呼ばれるこの法律は、婚姻解消の日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものとすると規定している。そのため、井戸さんの子どもは前夫の子として届け出るか、それがいやなら無戸籍児、つまり「存在しない子」になるしかないというのである。  「法的離婚した後にできた子が前夫の子どもになるなんて、ある意味、法律がレイプしてるみたいなものじゃないですか」と抗議すると、「それが離婚のリスクです」という言葉が返ってきた。絶対に納得できないと何人もの弁護士に相談したが「勝ち目はない」と誰も引き受けてくれなかった。それならと3カ月間猛勉強し、子どもの戸籍を得るために、井戸さんと子どもが原告となり、現夫に認知を求めるという形での本人訴訟に踏み切った。同時に「こんな法律は変えなければ」と赤ん坊を抱いて上京、片っ端から国会議員をつかまえて陳情した。 続きは本紙で...


いど まさえ

1965年、宮城県生まれ。松下政経塾、経済誌の編集部を経て経済ジャーナリストとして独立。5人目の子どもを出産後、NPO法人「親子法改正研究会」を設立。2012年の衆議院選挙で落選した後、友人の弁護士と養育費の交渉や管理業務を行う会社を設立した。

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