WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

日本初の排泄ケア専門ナース

西村かおるさん

  • 2013.06.15
  • 聞き手…栗原順子
  • 撮影…落合由利子

西村かおるさん

気持ちいい排泄で よりよく生きる

 本紙で連載した「目からウロコの排泄ケア」(2010年10月15日号~11年3月15日号)は、排泄に対する思い込みから解放される大好評の記事だった。  執筆者の西村かおるさんは日本初の排泄ケア専門ナースで、「日本コンチネンス協会」(以下、協会)会長、「コンチネンスジャパン」専務取締役。  コンチネンスとは、失禁の反対語で、排泄がコントロールされていること。首都圏はもとより、高知や沖縄の病院にも勤務先があり、講演会、学会などで、国内外から引っ張りだこの毎日だ。排泄ケアに取り組んだ動機を知りたくて会いに行った。  コンチネンスケアとの出合いは1986年という。留学先のイギリスで訪問看護を学んでいた時、コンチネンス・アドバイザーという排泄ケア専門ナースが大勢いることを知った。  留学前、当時は先駆的だった訪問看護師をしている時、便失禁し、〝死にたい〟と悩む80代の女性がいた。力になりたいと、他と相談しながら対応したが、当時は紙おむつも使い勝手が悪く、いい解決策は得られなかった。それが悲しく、情けなく、心にひっかかっていた。  英国で排泄ケアの専門ナースにこの女性のことを話し、骨盤底筋体操や手術、便通を整えることで改善が期待できる方法があると聞いた時、「目からウロコが落ちる音まで聞こえた」と思うほどの衝撃だったという。  「排泄は人間の尊厳とも関わり、〝汚物〟には介護する人の瞬間の感情を抑えられなくする要素もある。大きなテーマだと思っていた排泄ケアを絶対学んで帰るぞと決意しました」  帰国し、日本にはいない排泄ケアの専門家として名乗りを上げたが、最初は同じ看護職の人たちから理解を得るのに苦労した。排泄ケアだけのナースとして勤務体制の中に組み込んでもらうことが難しかったからだ。  まもなく協力者が現れ、専門ナースとして病院勤務が可能になる。89年、協会の前身である「失禁勉強会」を立ち上げ、90年に「コンチネンスセンター」を開設した。 続きは本誌で...


にしむら かお

1957年、高知県生まれ。86~87年英国に留学。日本コンチネンス協会会長、コンチネンスジャパン専務取締役。2006年エイボン女性功績賞、07年ヘルシーソサエティ賞を受賞。著書に『パンツは一生の友だち』(現代書館)ほか多数。

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