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インタビュー

『新宿、わたしの解放区』を出した

佐々木美智子さん

  • 2013.05.15
  • 聞き手…じょうづかさえこ
  • 撮影…落合由利子

佐々木美智子さん

波乱に満ちた人生を風のように

去年9月に出版された『新宿、わたしの解放区』は、北海道新聞の記者が6年がかりで聞き書きしまとめた、佐々木美智子さん(おみっちゃん)の波乱万丈の半生記。巻末につけられた年表は6ページに及ぶ。  私が初めておみっちゃんに会ったのは、1989年、ブラジルのサンパウロだった。おみっちゃんは当時、日本の本に飢えている日系移民1世と、日本へ出稼ぎに行く2世、3世の日本語習得のために、私設図書館を開設していた。  「何度も日本に行って2000万円の資金を作って」、作家の沢木耕太郎さんからは2万冊の蔵書が寄贈された。  投宿させてもらいながら聞いたおみっちゃんの半生はあまりに面白く、本紙「自分史を綴る」欄に12回連載していただいた(89年9月~90年1月)。その後図書館をだまし取られ、失意の中で帰国したおみっちゃん。調布でも大島でもまた何度も話を聞いた。  「あっと言う間でしたね。のんびりしてる暇がない忙しい人生だったから」。79歳のおみっちゃんは、少女のように笑う。  当時は自分の意思に関係なく「嫁にやられる」時代。「もっと違う世界があるのではないか」と、職場の先輩男性の転勤を機に結婚し、生まれ故郷の北海道・根室から函館に〝逃げた〟のは19歳の時だった。しかし、官舎住まいのこともあり「結婚は息苦しい」と感じたおみっちゃんは、わずか1年で離婚。「相手の男性はおしゃれないい人だったのにね(笑)」  函館・札幌のキャバレーなどで働いたのち、母が工面してくれた金で単身東京へ。「そのころは離婚は犯罪者扱い。田舎にはとても帰れなかった」  某有名美容学校に入ったものの、入学式の校長あいさつの「お客は額に千円札を貼ってきたと思えばニコニコできる」という言葉に頭にきて、その日のうちに退学した。「入学金も前期授業料も返してくれなかった」 続きは本誌で...


ささき みちこ

1934年、北海道生まれ。22歳で上京。新宿、ブラジルの日々を経て、現在は東京都大島町在住。著書『新宿発アマゾン行き』(文藝春秋)、『ピンクイルカが笑った』(自費出版)、写真集『日大全共闘』(鹿砦社)、自主製作映画『いつか死ぬのね』など。

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