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インタビュー

沖縄の真実を伝える記者として

謝花直美さん

  • 2013.01.15
  • 聞き手…室田元美
  • 撮影…落合由利子

謝花直美さん

女性のために、沖縄のために

 昨年12月1日、東京で行われた「やより賞2012」の贈呈式。やより賞は、ジャーナリスト松井やよりさんの遺志と基金によって、その年、人権活動に貢献した女性活動家やジャーナリストに贈られる。3人の受賞者のうち「やよりジャーナリスト賞」を受賞したのが、沖縄タイムスの記者、謝花直美さんだ。戦争中、日本軍「慰安婦」にされた女性たち、「集団自決(強制集団死)」させられた慶良間諸島の人たち、戦後も絶えることのない米軍による暴力事件…声に出せなかった沖縄の人たちの思いや、基地があるゆえに絶えない女性への暴力を、ていねいにすくい取ってきた。  「沖縄戦を書きたくて、記者になった」という謝花さん。    「慰霊の日や10・10空襲の日など、節目には取り上げても、沖縄戦を集中的に掘り起こそうとする記者はいませんでしたね。けれども、いまも沖縄の人々や社会に大きな影響を与えているのは戦争だと思います」  謝花さんは米軍の占領時代=アメリカ世に生まれた。「基地の多い中部で育った子どもたちと比べ、私が育った那覇では当時、米兵を見かけることもまれだった。むしろ記憶に残っているのは、小学4年生の、日本に施政権が返還された時のこと」  地理の授業で、日本の地図帳の地域図に沖縄がなかったのだ。先生から「これを貼りなさい」と沖縄地図を配られ、自分たちは見えない存在だったんだ、と感じたという。  記者への道は決して平坦ではなかった。新卒で受けた新聞社の入社に失敗。しばらく企業で働き、休職してインドネシアに。戦時中の日本軍のアジアへの加害を、沖縄人の立場で考えるうちに、新聞記者になって沖縄戦を書きたい気持ちが、改めて湧きあがってきたという。  「戦時中もその後も、いまも沖縄の人は、日本政府から差別されているという思いがある。沖縄戦を知らない私たちの世代でさえ、40年前に復帰すべき場所はどこだったのか、と問いかけずにはいられません。沖縄では40代、50代、もっと若い人たちの間で、いま沖縄戦、占領期、返還後のこと…『自分たちの歴史を学び直したい』という人が増えています」 続きは本誌で...


じゃはな なおみ

1962年沖縄県生まれ。90年沖縄タイムスに入社、沖縄戦などの取材に力を入れる。現在、特別報道チーム所属。著書に『証言 沖縄「集団自決」 慶良間諸島で何が起きたか』(岩波新書)ほか。2012年「やよりジャーナリスト賞」を受賞。

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