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インタビュー

キリスト教の異性愛主義を問う牧師

堀江有里さん

  • 2012.09.05
  • 聞き手…社納葉子
  • 撮影…水野真澄

堀江有里

名乗る「特権」を引き受けてゆく

柄シャツにジーパン、サンダル履きが、ひょうひょうとした物腰によく似合う。堀江有里さんは、レズビアンを名乗りながらキリスト教における異性愛主義を問い続けている。  キリスト教との出会いは大学3回生の時だった。教育における自由を大事にした牧師で教育者の新島襄に関心をもったことから同志社大学神学部に進むも、信仰への思いは薄かった。しかし自動車事故で九死に一生を得た時、何者かに「生かされた」と強く感じる。導かれるように洗礼を受けた。同じころから京都市東九条をフィールドに在日朝鮮人差別をはじめ、さまざまな差別問題に取り組む人たちと出会っていった。  牧師の資格を得て教会で働き始めた20代の後半、葛藤を繰り返しながらもレズビアンである自分を受け入れ始めた堀江さんは、キリスト教のなかでカミングアウトを始める。  そして友人を介してゲイやバイセクシュアルのクリスチャンと出会い、話し合うなかでセクシュアルマイノリティーの孤立と情報発信の必要性を実感。「信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会(ECQA)」を立ち上げてニュースレターの発行と相談業務を始めた。  そんななか、日本基督教団で「同性愛者差別事件」が起きる。牧師の認定をめぐって、「同性愛者はふさわしくない」などといった発言が出たうえに、抗議や撤回を求める声を教団が拒否したのである。堀江さんは文字通り涙を流しながら、その闘いの最前線に立った。  「その時の〝同性愛者〟とはゲイの人のことを指しているんですけど、たとえ自分の身に起こったことでなくても、自分の生き方を否定されるとか、命自体を否定される感覚がすごくありました」 続きは本誌で...


ほりえ ゆり

1968年生まれ。日本基督教団・牧師。立命館大学、龍谷大学、花園大学ほか非常勤講師。専門はセクシュアリティー研究、ジェンダー論、人権論。『「レズビアン」という生き方 キリスト教の異性愛主義を問う』(新教出版社)。

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