映画と食べ物屋で生きていける

関西で映画といえばこの人である。映画通なら誰でも友達、みんなから「カンコさん」と呼ばれ、その明るく前向きな姿勢で、映画の世界を切り開いてきた。「もともと映画好きいうても、なんでもええんとちゃうねんで。大スターは出てなくても、ちゃんとテーマ性のある映画を紹介したいんよ」。
とはいえ、若い頃からずっと映画一筋できたわけではない。70年代には一時期、子育てのために家にいて主婦をしていたというから、今の彼女しか知らない人には驚きだ。
「その頃、ある人の選挙活動を手伝ってほしいと頼まれて、久しぶりに動いたの。そしたら、びっくり!頭にフライパンかぶったようになってて、人の話も入れへん、頭が詰まった感じ。錆び付くってまさにこのことやと思たわ。やっとその時に気づいたんやね」
それからは、他人に依存していた自身を反省し、自分の足で立って、自分で生きたいと思い定めた。すでに身近に集まっていた女たちといっしょに始めたのが、一膳飯屋「もりもり」である。
「女が自分で食っていこうと思たらな、食べもん屋がええやろ、食いっぱぐれがないから。単純やろ、ハハハ」と、豪快に笑う。
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